2024-03

2022・4・17(日)ピエタリ・インキネン指揮日本フィル

      東京芸術劇場 コンサートホール  2時

 2019年10月に開始されながら、新型コロナ蔓延のため中断されていたインキネンと日本フィルの「ベートーヴェン交響曲ツィクルス」がついに再開。今日は「第6番《田園》」と「第5番《運命》」が取り上げられた。コンサートマスターは田野倉雅秋。

 「田園」を端整かつしなやかに、「運命」を劇的かつ重厚に、というように対照づけた指揮は予想通り。

 「田園交響曲」での弦のふくよかな美しさは以前の日本フィルからはあまり聴かれなかった類のもので、これはやはりインキネンによってもたらされた美点であろう。今日の演奏はこの弦の爽やかで優麗な音色を基盤として、快速のテンポで進められ、第4楽章と第5楽章をダイナミズムの頂点として構築されていた。
 ただ欲を言えば、第1楽章はあれほど精妙緻密につくられながらも、流れがやや平板に感じられたような・・・・。これはオーケストラが何故かえらく緊張していたように聞こえたこととも関係があるかもしれない。管楽器群にも些か不安定な個所がいくつか。

 「第5交響曲」では、第4楽章での熱烈な演奏が興奮を呼んだ。提示部が反復され始めた個所でのエキサイティングな盛り上がりなど、なかなかのものだったし、展開部でのひたすら押して行く昂揚や、終結部で和音をこれでもかと叩きつけるくだりでの隙のない緊張力も見事なものである。
 全曲最後のハ長調の終結和音を激しく叩きつけるかと思いきや、一捻りして少し柔らかめの響きで入るという手法は、以前にも誰だったか、ブラームスの交響曲で使った指揮者がいたが━━思い出せないが、凝ったやり方だ。

 この演奏のあとでは、「(感染対策上)御遠慮下さい」と言われているブラヴォーが何処からか飛んだ。気持は解る。私も、もうそろそろ、あの壮烈に湧き上がるブラヴォーの声のハーモニーが聞きたくなって来た。

コメント

優雅な弦の響き

しっとりとした弦の響きに魅了されました。コンマスのT氏、ビオラの、A氏、J氏の影響もあったかと、感じました。私にとっては、田園、運命、のプログラムは、77年のベーム以来でした。うっとりとした気持ちで帰宅しました。アンコールに、レオノーレ序曲は、ないものねだりでしょうか。

ブラボー

充実した良い演奏会でブラボーも正に実感でした。6番1楽章は穏やかな流れで左程緊張とかは感じられませんでしたが。2楽章には聞きほれました。5番も気迫こもった充実の演奏。19年10月の横浜定期Syn1ではバロックティンパニー、Pc1ではモダンに代えたのに驚きましたが、今回はバロック。細かい配慮が有ると感じました。今週土曜日は2,4番でこれまた楽しみです。

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