2024-03

2022・5・1(日)「近江の春」びわ湖クラシック音楽祭(終)
グランド・フィナーレ 沼尻竜典指揮大阪フィルハーモニー交響楽団

          滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール  5時

 これが結びの一番。指揮者として当初発表されていた大植英次が降板、沼尻竜典が指揮することになった。しかし、この音楽祭のテーマから言えば、沼尻芸術監督が指揮するのが妥当というものであろう。

 プログラムは、チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」(ソロは上村文乃)、プッチーニの「蝶々夫人」からの「ある晴れた日に」(伊藤晴)、モーツァルトの「フィガロの結婚」からの「訴訟に勝っただと?」(晴雅彦)、沼尻竜典の「竹取物語」のかぐや姫の「帝に捧げるアリア」(冨平亜希子)、プッチーニの「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」(宮里直樹)━━と進み、最後はレスピーギの「ローマの松」で豪壮に締め括られた。

 沼尻が大阪フィルから引き出した音は、清楚で美しい。「ロココ」の冒頭など、チャイコフスキー独特のあの澄んだロシアの雪の光景を思い出させるような美しい音色に満ちていてハッとさせられたし、「フィガロ」では弦の透明な響きに陶然とさせられたほどだ。

 但しその「ロココ」では、オーケストラの落ち着いた音色と上村文乃のブリリアントなチェロの音色とが、あまりに異質な感を生んでいたのではないか。
 一方、宮里直樹は、今日こそは大ホールという音響空間を生かし、強大な朗々たる声で本領を発揮した。また晴雅彦が「伯爵のアリア」を劇的に歌い、シリアスな役柄での実力を遺憾なく発揮していたのもいい。
 「ローマの松」は、当初の予定だったチャイコフスキーの「1812年」から変更されたものだが、作品の質から言ってもそれは極めて妥当な選曲であった。

 6時過ぎ、音楽祭は成功裡に幕を閉じた。お客さんの反応も上々だったのは祝着。京都を7時半に出る「のぞみ」で帰京。

コメント

ウクライナ情勢に鑑みロシアの戦勝を祝す「1812年」の演奏を取り止めるにしても、代替が「ローマの松」というのには首をかしげました。この交響詩の終曲「アッピア街道の松」は、軍用道路を進むローマ軍を描いた大音響ですが、軍隊がらみでもロシア軍でなければOKという判断だったんでしょうか。エキストラの手配も含む編成上の都合ということなんでしょうかね。

宮里さんにBravo!

GW前半を関西で過ごし、29日に関西フィル定期を聴いた後、30日・1日はびわ湖クラシック音楽祭の全公演(2日分)を拝聴しました。

とにかく今回の白眉は宮里直樹さんの歌唱(リサイタル&グランドフィナーレ)だったのではないでしょうか。やや力任せ、一本調子なところもあったかもしれませんが、あの高音の輝き、圧倒的な声量、最高音までシームレスかつストレスなく発声可能な完璧なテクニックに小生はひれ伏しました(笑)。

その良し悪しは別にして、特にイタリアオペラの世界では強烈な声の威力こそが最大の魅力とされる部分が皆無ではないところ、宮里さんこそ、今、もっとも聴衆を熱狂させることができる歌手と言えるのではないでしょうか。ただただ喉の酷使による不調などに見舞われることなきよう祈っております(新国立の「ばらの騎士」では不調な日があったと仄聞するところ、大リーグのピッチャーのように過度な負担を制限することも考えてあげてほしい・・・笑)。

びわ湖クラシック音楽祭は、今年も(やや小規模ながらも)上質でレベルの高い音楽祭となりました。来年以降もこのような形で開催が継続されることを願っております。

PS
びわ湖ホールでは、2日とも東条先生の姿をお見かけし、ご挨拶しようかと思ったのですが、寺西先生と歓談されておられたので自粛いたしました。体調不良と伺っておりましたので、お元気そうなお姿に安堵いたしましたが、お疲れが出ませんように。

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