2024-02

2022・5・18(水)チョン・ミョンフン指揮東京フィル(5月定期初日)

      サントリーホール  7時

 フォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」で静かに開始されたプログラムは、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲で華麗に盛り上がり、休憩後にはドビュッシー「海」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」と続く。量感たっぷりだ。コンサートマスターは近藤薫。

 東京フィルの演奏も近来稀なる素晴らしさで、トランペットやホルンのソロも輝かしかったが、それ以上に、今夜ほどチョン・ミョンフンの円熟と巧みさに感じ入ったことは、これまでになかった。
 圧巻は何といっても「海」での指揮だったであろう。低弦の蠢き、シンバルの一打など、あらゆる細部にまで神経を行き届かせ、しかもオーケストラの音色を絶え間なく色彩的に変化させ、かつ全体を完璧なほどといっていい均衡の裡に響かせる。眼を閉じて聴いていると━━変な言い方だが━━この曲はまさしく「海」そのものなのだ、と思えて来るのだった。

 「ラ・ヴァルス」でも同様、その音楽の流れのしなやかさには舌を巻いた。作曲者が謂う「ウィンナ・ワルツ」云々のイメージからは稍々離れた演奏だったものの、音楽が色っぽい「しな」をつくっている点で、これは実に面白い「ラ・ヴァルス」ではなかったかと思う。

 それらに比べると、第1部での「ダフニスとクロエ」第2組曲の演奏は、少しくガサガサしてダイナミックな動きに偏っていた印象を拭い切れず、おそらくこれは2日目以降の演奏で解決される類のものであろう。
 とはいえ、冒頭の「ペレアスとメリザンド」組曲(私の愛してやまない曲なのだが)では、フォーレの夢のような叙情美を充分に再現した演奏で、その柔らかい優しさは、私にさまざまな思い出を蘇らせてくれた。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・衛星デジタル音楽放送
ミュージックバード(エフエム東京系) 121ch THE CLASSIC
「エターナル・クラシック」
(毎週日曜日 12:00~16:00放送)出演

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中