2024-03

2022・5・23(月)佐渡裕の新日本フィル・シェフ就任お披露目定期

       サントリーホール  7時

 佐渡裕が、東京のオーケストラにポジションを得る。この4月にミュージック・アドヴァイザー就任、来年4月には音楽監督就任予定。既に21日にトリフォニーホール定期でお披露目を行なっているが、今日は同一プロでのサントリーホール定期である。

 指揮したのは、R・シュトラウスの「ドン・ファン」、バーンスタインの「前奏曲、フーガとリフス」、ベートーヴェンの「交響曲第7番」というプログラムだが、これは彼が1990年に新日本フィルを振って華々しく檜舞台に躍り出た時に選んだ曲目と同じである由。━━そういえば私もそのコンサートには記憶がある。「期待の新人指揮者登場。2メートル近い身長の大男が指揮台上で大暴れするさまは何とも壮観である」とか、何処かに書いたような覚えがある。

 なお、今日のバーンスタインの「前奏曲、フーガとリフス」では、クラリネットのマルコス・ペレス・ミランダ(新日本フィル副首席)、高木竜馬(pf)、高橋信之介(Drums)が協演した(5人のサックス奏者に関しては冊子に紹介が載っていない)。

 このバーンスタインのジャズ・スタイルによる小品は、彼は先日、関西の本拠たる兵庫芸術文化センター管弦楽団とも演奏していた(私が解説を書いた)。だが、これはやはりナマで聴くのが一番面白い。胸のすくような活力と熱気が沸騰する曲だ。
 佐渡の指揮も水を得た魚のよう。アンサンブルの演奏も活気に溢れて見事なものだった。アメリカ人演奏家が聴かせるジャズのようには行かぬかもしれないが、これはこれで充分スウィングした演奏と思える。

 一方、クラシックの2作品、「ドン・ファン」と「第7交響曲」は、いかにも「佐渡サンの指揮」という感の、骨太な構築の演奏だ。会場で遇ったある知人が「太巻き」と称したが、イメージとしては当たっているだろう。
 しかし、昔と違って、彼の指揮は非常にニュアンスが細かくなった。特に今日の「7番」では、リズムが主体となるフレーズと旋律が主体となるフレーズとを微妙に表情を変えて対比させたり、細部にアクセントを付したり、ちょっとしたクレッシェンドを施したりと、至る所に神経を行き届かせて、演奏の表情を豊かにしていたのである。しかもそれが所謂小細工でなく、音楽全体の流れの中に、極めて適切に織り込まれていたのにも感心させられた。

 新日本フィル(コンサートマスター崔文洙)は、今日は勢いで聴かせたようなところはあるものの、熱演ではあった。このオーケストラと佐渡裕との組み合わせは、この「熱演」が今後のトレンドとなるだろうが、それがどのように新日本フィルを基本的に活性化させて行くかを見守りたいところだ。

 なおアンコールは、「ロシアの作曲家チャイコフスキーがウクライナの民謡をもとに」して書いた「アンダンテ・カンタービレ」。時節柄、心に染み入る音楽だ。

コメント

弦楽四重奏曲第1番第2楽章

佐渡さんは、今月の西宮のPACオーケストラの定期演奏会でも、同じバーンスタインの曲を取り上げていました。ビックバンドのジャズというのは、私にはなんだか古めかしい印象でピンと来なかったです。そして、西宮でも同じアンコール曲(弦楽合奏版)が演奏されました。この選曲は秀逸だと思います。しばらく定番になるかも知れないですね。

佐渡裕

連日お疲れ様です。
21日トリフォニーです。端的には、「割り切った」演奏と思う。現実は酷過ぎるので、ある意味「軽く」なるのは否めない。彼は、「オケに音楽監督は要らない。必要なのは事務局長だ。」という考えだから、演奏もその様になる。トンキュンの影響か、ウィーン風の響きは耳に付いたが、上岡敏之の様に何をやってくるかわからないという楽しみは後退した。ま、しかし、東条先生言われる通りこれからだろう。

バーンスタインの曲

前奏曲 フーガとリフ 2年前にも佐渡さんんはバーンスタイン特集でこの曲兵庫芸文で振っていてこだわりの曲のようです。その時、私も気に入った曲で今回もこれだけでも聞きたかったのだがショスタコ5番が耳タコでやめました。難曲のようでバーンスタインがウイーンで指揮した時途中で止まったとトークされていました。6月の7番は行きますが。

うってつけの人選

今更ながらの書き込みで申し訳ございません。下町に本拠を置くオケとしてカリスマ佐渡さんはうってつけの人選でしょう。日フィルやシティ、神奈川、パシフィック同様、冒険、背伸びは無理でしょう。ただ日本人でいうと尾高忠明さんや高関健さんのような緻密なアンサンブルを作るタイプも積極的に入れないと技量向上にはつながらないと思います。小澤・朝比奈時代末期を知るものとしては、最近は若手中堅の移籍・退団がかなり多く、管楽器は欠員が多く、指揮者の人選。運営の問題も含め危惧していました。佐渡人脈で反田恭平さんなどを呼べれば集客につながるはず。その収益で奏者採用や運営体制の改善が必要です。いつまでも元N響都響首席の有名団員や元読響首席のエキストラに頼るわけにもいきますまい。元N響といえば、この日は首席奏者になっている日高さんのほかに、クラの磯部さん?!もお元気そうに出ておられました、この週は佐渡・新日本フィル、ルイジ・N響、カーチュン・日本フィルという新しいパートナー指揮者との共演あり、6年半ぶりの上岡・読響の共演あり、と、幸い仕事が最近ややヒマとあって、週に4回もサントリーホールに行ってしまいました。余談ですが、会場では係員が注意しなくても、今なおブラボーはせずマスク励行は常に自主的に維持されており、諸外国では常に防疫上のモラルが議論の種になる中、改めて日本人の規範意識の高さを誇りたくなります。

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