2024-03

2022・7・16(土)沼尻竜典指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団

       神奈川県民ホール 大ホール  2時

 4月から音楽監督に迎えられている沼尻竜典との演奏で、ショスタコーヴィチの「交響曲第8番」を聴く。今日のプログラムはこれ1曲のみ。

 彼の音楽監督就任披露はすでに4月の定期で、ブラームスの「第1交響曲」により行われたが、私はそれを聴けなかったので、今回が初めてになる。ただし彼とこのオケの演奏は、以前にマーラーの「第9番」を聴いていた。しかし今日のショスタコーヴィチではそれとはもう全く異なった演奏になっていたと思う。

 曲冒頭の低弦の発言を聴いた瞬間、いい音だなと思った。清冽で美しく、しかも力感と空間的な拡がりがある。何よりその演奏に、おれたちの音楽を聴け!と言わんばかりの自己主張のようなものが感じられたのが、私には嬉しかった。
 神奈川フィルの演奏はもう何十年も前から、しばしばとは言えないが機会を見つけて聴いては来たが、こういう「強い」演奏を聴いたのは今回が初めてである。新しい音楽監督との共同作業は成功するだろう、という気がした。

 特に第4楽章(ラルゴ)での弦(コンサートマスターは石田泰尚)の瑞々しく爽やかな叙情感が素晴らしい。
 第5楽章での怒号と絶叫の個所におけるデモーニッシュな恐怖感は希薄だったが、戦争の実体験のない世代の演奏としては、やはりそうなるのかもしれない。あの世界大戦を身を以って体験している指揮者やオーケストラと同じような演奏を求めるのは、そもそも不可能な話だ。ショスタコーヴィチの音楽と雖も、時代により異なった感覚で再現されるのは、当然のことだろう。

 沼尻新音楽監督は、カーテンコールで、もう一度単身ステージに呼び出された。聴衆の反応も上々のようである。

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