2024-03

2022・9・10(土)山田和樹と大阪4オケのシューベルト第3日

     住友生命いずみホール  4時

 第3日は日本センチュリー交響楽団(コンサートマスター・松浦奈々)の登場。第1部に「アルフォンゾとエストレッラ」序曲と「交響曲第3番」、第2部に「イタリア風序曲」と「交響曲第5番」というプログラムが組まれた。

 入れ替わりつつ順に登場する大阪4オケだが、やはり対抗意識、競争意識の表れか、ここまで登場した3楽団、いずれも演奏に並々ならぬ気魄が感じられて面白い。昨日の大阪響も壮烈だったが、今日の日本センチュリー響も素晴らしい。
 特に2曲のシンフォニーは充実した演奏というべく、勢いと美しさに於いて傑出していた。

 「3番」も、第2楽章の中間部の愛らしさ(木管がもう少し明確に響いていれば、そのハーモニーの瞬間的な美しさがいっそう浮き彫りになったかもしれない)、第4楽章の飛び行くエネルギー感など、極めて快いものがあった。この第4楽章は、演奏によっては勢いがいいだけの、単なる飛ばし屋のような音楽になってしまうことも多いのだが、今回の山田和樹と日本センチュリー響は、すこぶる均衡豊かな温かい音色で、最後まで瑞々しい「歌」を失わぬ演奏をつくり上げてくれた。

 さらに感嘆させられたのは、「5番」での演奏である。私は以前からこの曲が━━その美しいことは充分理解しながらも━━何となく苦手なのだが、それはおそらく大多数の演奏があまりに明晰で透明で、屡々冷徹な「白色系」の音楽に感じられてしまっていた所為かもしれない。だが今日の演奏におけるような、弦の響きのすこぶる温かい「暖色系」の音楽として再現されたこの「変ロ長調交響曲」を聴くと、我が意を得たり、という気になる。
 日本センチュリー響の演奏もさることながら、山田和樹の創る音楽の「温かさ」を、ここでもまた認識させられる結果となった。

 これらに組み合わされた2つの序曲は、ナマではなかなか聴けない曲だけに、貴重なプログラミングと言えただろう。「イタリア風序曲」は、最初と最後があの「ロザムンデ」序曲」(「魔法の竪琴」序曲)とほぼ同じ旋律━━ほんのちょっとフシを変えているところが笑える━━のものだ。

 これで、残るは来週月曜日の第4回、大阪フィルとの「ザ・グレート」となる。その間、1日空くのを利用して、札幌へ飛び、オッコ・カムと札響が演奏するシベリウスを聴こうと思っている。

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