2024-03

2022・10・2(日)サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団

      ミューザ川崎シンフォニーホール  2時

 海外トップレベルのオーケストラの来日が漸く再開された。秋の第1弾はロンドン交響楽団と、その音楽監督サイモン・ラトル。かなりの多様多彩なプログラムを携えての来日である。

 首都圏での演奏の初日は、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」からの「前奏曲と愛の死」、R・シュトラウスの「オーボエ協奏曲ニ長調」(ソロは同響首席奏者ユリアーナ・コッホ)、エルガーの「交響曲第2番変ホ長調」というプログラムだった。
 ソリストのアンコールはブリテンの「オヴィディウスによる6つの変容」からの第1曲、オーケストラのアンコールはディーリアスのオペラ「フェニモアとゲルダ」間奏曲。

 ラトルお気に入りの、ここミューザ川崎シンフォニーホールでの演奏━━ホールの鳴らし方も心得ているのだろう、2CAの3列51という比較的近接距離の端の方の席で聴いてさえ、オーケストラのバランスとアンサンブルの見事さが堪能できる。
 「トリスタンとイゾルデ」での明晰でありながら殺伐とせず、しかもスケールの大きな演奏の快さ。休憩時間にある知人が「もしラトルがバイロイトで振るなんてことがあったら、無理をしてでも絶対聴きに行く」と言っていたが、もっともだと思う。私も、彼がザルツブルク復活祭音楽祭とエクサン・プロヴァンス音楽祭で指揮した「指環」4部作や、ウィーン国立歌劇場で指揮した「パルジファル」と「トリスタンとイゾルデ」を実際に現場で聴けたことを、大切な思い出にしておこう。

 R・シュトラウスの「オーボエ協奏曲」を吹いたユリアーナ・コッホの音色のまろやかさと陰翳の濃さには少々驚いたが、オケの中で吹いていた奏者たちの音色もそれにほぼ同一だったことにも━━変な言い方になるが━━妙に感心させられた。このオケのオーボエの音色は、以前からこうだったっけ? 
 後半、エルガーの長大な交響曲の演奏に溢れる形容し難いあたたかさ、同じくディーリアスの小品における陶酔的な感覚など、すべて同国の作曲家に寄せる楽員たちの共感のようなものが伝わって来る演奏である。

 ラトルも、若い若いと思っていたが、今年で67歳になる。流石に少し老けた。そして身体も随分丸くなった。だがアンコールで、日本語で曲目をアナウンスするあたりの親しみやすい雰囲気は、昔ながらのものである。

コメント

 ロンドン交響楽団を聴くのは2度目ですが、ラトルは初めてでした。一曲目のトリスタンで、その流れの素晴らしさ、オケのバランスの良さ、更に濃密な響きにも感心しました。その吸引力抜群の演奏に一曲目でかなり満足でしたが、二曲目の協奏曲も素晴らしく、隙の無い演奏でした。
 それからラトルのミューザ好き?がそうさせるのか、海外オケの来日公演というよりは、ロンドン交響楽団の定期演奏会に来ているようなアットホームな雰囲気を感じたのは私だけでしょうか。

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