2024-03

2022・10・15(土)上岡敏之指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

        すみだトリフォニーホール  2時

 「すみだクラシックへの扉・第10回」━━もともとはラルス・フォークトが客演し、弾き振りをやる予定だった演奏会だが、彼は急逝してしまった。ご冥福を祈る。

 代わりに登場したのが上岡敏之。彼が新日本フィルを指揮する演奏会を聴くのは、実に久しぶりである。3年ぶりくらいか? 音楽監督としての任期は既に終了しているが、コロナ騒ぎなどで彼の帰国が不可能になるケースが多く、結局、新日本フィルとの告別演奏会は、やったか、やらなかったか? 終演後には彼へのソロ・カーテンコールもあったし、楽屋でも大勢の楽員たちに長いこと取り巻かれていたほどであった。やはり人気は高い。

 その彼の久しぶりの指揮によるプログラムは、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」(ソリストは上野星矢と山宮るり子)、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」(ソリストは田部京子)、ブラームスの「交響曲第2番」。
 長いコンチェルトを2曲も入れた不思議な選曲だが、これはフォークトのプログラムを引き継いだものである。終演は4時半頃になった。コンサートマスターは崔文洙。

 モーツァルトのコンチェルトでは、上岡と新日フィルは、極めてしなやかな柔らかい響きを聴かせてくれた。だが一方、2人のソリストは、直線的で竹を割ったような雰囲気の演奏をする若者なので、オケとソリとに些か異質なものを感じてしまう。フォークトが指揮していたら、また違った演奏になっていたかもしれないが‥‥。

 その点、ベートーヴェンのピアノ協奏曲では、田部京子との阿吽の呼吸とでもいうべき協演が聴けたようで、総譜の指定のアンダンテよりも遥かに遅いアダージョのテンポで演奏された第2楽章での素晴らしい沈潜ぶりなど、まさに上岡敏之らしい音楽となっていた。続く第3楽章を、聞こえるか聞こえないかの最弱音で開始したあたりも、やってくれたな、という感。

 このベートーヴェンのコンチェルトでの演奏が、今日のハイライトだったような気がする━━というのは、聴かせどころのはずだったブラームスの「第2交響曲」でのオーケストラの音が、どうも粗い‥‥。上岡と新日フィルが互いに呼吸の合ったところを聴かせていた時期には、彼らの音はもっと緻密で精妙で、しっとりとして温かいものだったはずだ。ただ、起伏の大きい構築や演奏の昂揚感などという点ではさすが上岡、という感があった。

コメント

ベートーヴェンのト長調コンチェルト

お疲れ様です。14日トリフォニーです。
田部京子のコンチェルトは前日の公開リハも聴きましたが、何となくさらっている感じで、そんなものなのか、という印象でした。しかし、本番は全く違いました。この曲のライヴは、私はグルダやへブラーの演奏を強く記憶していますが、それに匹敵する名演奏だったと思います。ベートーヴェンの特質を詳細に示しながら、彼女の言う「ファンタジー」としての性格も明快でした。
ピアノは若手の有望株が多く、私も予定を多く組んでいるのですが、これは、年長の先生方も見逃してはいけないと感じました。

ブラ2の三楽章のバイオリンのミスが話題になっておりませんが、あのような事故プロオケではあり得ないと思いますが。それ以降聴く耳が冷めてしまいました。

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