2024-03

2022・10・20(木)チョン・ミョンフン指揮東京フィル「ファルスタッフ」

      サントリーホール  7時

 チョン・ミョンフンの笑顔━━それも破顔一笑という感じの━━を初めて見たような気がする。本当に楽しんで指揮していたのだろう。ヴェルディの音楽も、今日は本当に「笑って」いた。これほどこのオペラの音楽が愉し気に飛び跳ねているように聞こえたことは滅多にない。

 かように、名誉音楽監督チョン・ミョンフンが指揮した東京フィルハーモニー交響楽団10月定期は、このヴェルディのオペラ「ファルスタッフ」であった。コンサートマスターは近藤薫。
 配役は以下の通り━━セバスティアン・カターナ(ファルスタッフ)、砂川涼子(フォード夫人アリーチェ)、中島郁子(クイックリー夫人)、向野由美子(ペイジ夫人メグ)、三宅理恵(フォードの娘ナンネッタ)、須藤慎吾(フォード)、小堀勇介(フェントン、)清水徹太郎(カイウス)、大槻孝志(パルドルフォ)、加藤宏隆(ピストーラ)。新国立劇場合唱団も出演。

 ベースは演奏会形式だが、オーケストラはステージの奥ぎりぎりまで下がって配置され(編成はあまり大きくはない)、ステージ前面で小道具を使いつつの芝居がかなり細かい演出で繰り広げられる。
 この演出もチョン・ミョンフンによるものだとのことで、演出補は家田淳が受け持ち、指揮者もオーケストラも時に演技に参加する。オーケストラは手拍子で応じたり(誰か飛び出した方がおられましたね)、チョン殿もホウキで床を掃きながら登場したり、小道具をファルスタッフに投げ渡したり(!)といった具合。視覚的にも大いに聴衆を楽しませた。
 第3幕でファルスタッフが虐められるあたりになると、やはり動きが少々物足りなくなったが、それでも精一杯のお芝居だろう。客席からは笑い声も少なからず起きていたから、成功の部類に入ると思われる。

 演奏が、前述の通り、実に明るかった。チョン・ミョンフンのオペラのテンポが速くて勢いがいいのは今に始まったことではないが、今回は作品の性格もあって、それが成功を生んでいた。東京フィルもステージに乗れば、ピットに入った時の演奏とは大違い、音量も活気も充分、胸のすくような快演を繰り広げていた。
 歌手陣も闊達で、特に題名役のカターナは、役柄に相応しい巨体を利した「重量感豊かな」演技と歌唱を披露。須藤慎吾、小堀勇介ら日本勢もいい。

 演奏会形式とセミ・ステージ形式を折衷させたような今回の上演スタイルも、成功と言えたであろう。

コメント

村治さん?

昨日のオーチャード定期で拝見いたしました。
とても素晴らしく、あっという間に3幕終わってしまったという感じでした。

あれ?
アリーチェのギター伴奏しているの、村治さんじゃない?

プログラムをめくっても村治さんの名前が載っていない。

東京フィルのホームページを見ても村治さんの名前を見つけることが出来ない。ツイッターに載っている写真には、村治さんも登場した歌手と一緒に写っている。

トップ奏者の村治さんの名前がきちんとプログラムに載せない理由はあるのか?

カヴァー歌手、音楽スタッフ、演出補は載せているのに…。

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