2024-02

2022・10・21(金)ピエタリ・インキネン指揮日本フィル
ベートーヴェン・ツィクルスvol.5

      サントリーホール  7時

 インキネンの首席指揮者時代の締め括りを飾るこのベートーヴェン・ツィクルス、今回は「交響曲第8番」と「交響曲第7番」が取り上げられた。コンサートマスターは田野倉雅秋。

 インキネンの指揮から引き出される音楽は、常に明晰さと重厚さとを兼ね備えて活力に富んでいるが、今日のベートーヴェンでもその特徴が発揮されていたと言えるだろう。どちらかというと「重厚壮大」の傾向が強かったようだが、しかし内声部を明確に響かせたりするところは、いつものインキネンだ。
 比較的大きな編成(「7番」では14型)を採った日本フィルを安定感豊かに堂々と響かせ、特に奇を衒ったような解釈は行わぬものの、同一の音型を反復しつつ盛り上げる個所ではティンパニのクレッシェンドをしばしば施して効果を上げる。スコアに指定されているリピートをすべて順守しながらも、それが全て自然な流れに感じられたというのも、演奏が充実していたことの証拠であろう。

 「8番」は、今日が初日だった所為か、前半はやや緊張気味の演奏に感じられたが、第4楽章のコーダのある個所で━━どの個所だったか、明確に記憶していないのはお粗末な話だが━━何か異様な迫力で音楽がぐんと高まって行った瞬間があったのは印象的だった。

 一方、「7番」では、インキネンと日本フィルは、実に見事な力を発揮していた。堅固な構築感の裡に、リズムとリズムとの関わりが生み出す痛快な美しさをこの上なく豊かに響かせた演奏で、このツィクルスでこれまで聴いた中では、「2番」と、それから「5番」の第4楽章と並ぶ出来だったように思う。

 なお━━いつものことだが━━オーボエがいい。杉原由希子さんだと思うが、第1楽章の再現部に入って間もなくの個所、第309~310小節のソロなど、非常に濃厚な表情で官能的な味を聴かせてくれた。ほんの一瞬だが、強く印象に残る。

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