2024-03

2022・11・10(木)藤岡幸夫指揮東京シティ・フィル

     東京オペラシティ コンサートホール  7時

 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の11月定期は、首席客演指揮者の藤岡幸夫が指揮。第1部にヴォーン・ウィリアムズの作品2つ━━「トマス・タリスの主題による幻想曲」および「2台のピアノのための協奏曲」、第2部にドビュッシーの作品2つ━━「牧神の午後への前奏曲」および「海」を並べるという、珍しいプログラムだった。
 ゲスト・ピアニストは寺田悦子と渡邉規久雄。コンサートマスターは戸澤哲夫。

 ヴォーン・ウィリアムズを取り上げたのは、今年が彼の生誕150年記念にあたることもあって、時宜を得たものと言えるだろう。
 私も先頃、アルテスパブリッシング社から刊行された、サイモン・ヘファー著「レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ 〈イギリスの声〉をもとめて」という本の邦訳(小町碧、高橋宣也訳)を大変興味深く読んだばかりなので、この演奏会にも関心を持っていた。特にこのコンチェルトはナマでは滅多に聴ける曲ではないし、実に貴重な機会であった。

 「幻想曲」は1910年の作、「2台のピアノのための協奏曲」(1946年初演)のオリジナル版「ピアノ協奏曲」は1933年の初演だから、作曲年代の開きは僅か20有余年なのだが、その作風には大きな違いがある。協奏曲でのオーケストレーションとピアノのパートは、不協和音も活用された著しく攻撃的な音楽になっているからである。
 前掲書の「第4交響曲」の項に「ヴォーン・ウィリアムズといえば田園ふうという世評を考えなしに鵜呑みにして‥‥この作曲家はこういう人だと決めてかかることはもうできないと‥‥」(122頁)とあるのは、実に言い得た表現だ。

 プログラム後半のドビュッシー2曲での演奏は少しく精妙さには不足したものの、しかし交響詩「海」の、特に「波の戯れ」と「風と海との対話」での演奏は、劇的な起伏感に富んで魅力的だった。

コメント

お疲れ様です。
東条先生が言われる通り、後半のドビュッシーなど魅力的で、今や在京オケは、どこに行ってもハズレがない状況にあると思います。私らロートルにとっては隔世の感があり、喜ばしいとは思いますが、クラシックのマーケット規模を考えると、これから過酷な競争が待っていると思います。熱狂的クラオタでも、同時に2ヵ所の会場には居られません。不要不急でないために、どうやって我が国の独自性を発揮していくかだと思いますが、とりあえずは、経験ある楽団を中心に、新国直属の「国立歌劇場管弦楽団」を組織していただきたいです。

マエストロ藤岡

関西フィルの首席指揮者でもある藤岡さんにとっては、ヴォーン.ウィリアムズは、十八番中の十八番だと思います。関西フィルでのプレトークを拝聴して、ヴォーン.ウィリアムズの作品をもっと拝聴してみたくなりました。東条先生が紹介してくださった本も面白そうですね!

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