2024-03

2022・11・11(金)五嶋みどり トリオの夕べ

      サントリーホール  7時

 「デビュー40周年記念~ベートーヴェンとアイザック・スターンに捧ぐ」と題してサントリーホールで開催されている5日連続の演奏会。

 ベートーヴェンの作品を中心にしたプログラムで、最初の3回にはソナタ全10曲のツィクルス、他の2回にはそれぞれ室内楽(三重奏曲集)とコンチェルト(デトレフ・グラナートの新作の日本初演を含む)が組まれている。
 今日は第4日、「ピアノ三重奏曲」の「第1番」「第3番」「第7番《大公》」が演奏された。協演はピアノがジョナサン・ビス、チェロがアントワーヌ・レデルラン。

 「大公トリオ」冒頭の主題を、ビスが実に物静かに、柔らかく弾きはじめる。まさに楽譜の指定dolceの通りだ。第4小節~第6小節にあるsfpも、決して威容を示すような表情にならない。
 五嶋みどりも、第33小節目以降のフォルテとピアノが1小節ごとに交替する個所をレガートなディミニュエンドとして柔らかく弾く。こういう「優しい」ニュアンスが演奏全体にあふれ、ベートーヴェンの音楽を不思議なあたたかさで満たしていたのが、今日の3人の演奏全体に流れる基調のようなものだったと言えようか。

 もちろんこれは、ある一面について言っただけの話で、彼らの演奏がおとなし過ぎたとか、安らぎを感じさせるだけのものだったとか、そんな意味では全くない。彼女の演奏は、ジャン=イヴ・ティボーデとのソナタではどうだったのだろうか? 最近ワーナーから出たSACDで聴く演奏では、もう少し異なった特徴が感じられたのだが。

 客席は文字通り満杯。終演は9時25分頃になった。
 ホールの出口には「五嶋みどりさんからのプレゼント」とアナウンスがあったように、彼女のエッセイや対談が収載されている「道程」と題された美しい本が並べられ、客が自由に持ち帰れるようになっていた。

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