2024-02

2022・12・18(日)太田弦指揮日本フィル「第9」

       サントリーホール  2時

 進境著しい若手指揮者、太田弦が日本フィルの年末の「第9」の指揮の一翼を担うというので、興味津々、聴きに行ってみた。

 今日は、同じベートーヴェンの「エグモント」序曲を演奏し、休憩を入れたのちに「第9」を━━というプログラム構成。
 声楽ソリストは、盛田麻央(S),杉山由紀(A)、樋口達哉(T)、黒田祐※貴(Br)、日本フィルハーモニー協会合唱団。コンサートマスターは田野倉雅秋。

 太田弦が指揮する「第9」は、ちょうど3年前、大阪交響楽団とのそれを聴いたことがあるが、端整な、あまりにも端整な指揮ぶりに奇異な感を抱いたことがある。
 ただその後、新日本フィルとの「ザ・グレイト」や、日本フィルとの「シェエラザード」や、仙台フィルとの「ローマの松」などを聴いてみると、音楽がかなり流動的に、劇的な起伏も、時には誇張も織り込まれながら構築されていたので、もしかしたらベートーヴェンの作品とロマン派の作品とではアプローチを大きく変えているのかな、とも思い━━。

 今日の「第9」を聴いてみると、彼はやはりこの曲に関しては、基本的には3年前とアプローチを変えていないように見える。所々にティンパニの短いクレッシェンド(アクセントの範囲内に入る程度のものかもしれないが)が効果的に付されたりすることはあるものの、やはり極度に整然とした音楽づくりだった、と言うことになるだろう。この「第9」に、古典的な、端整な構築を目指すのが彼の意図なのか? 

 しかし、演奏の密度という点では、3年前のそれよりも明らかに濃さを増しているように感じられる。そして、解釈はどうあれ、「第9」に対しての姿勢に、3年前よりも確信が感じられるようになっていたことも確かであろう。

 声楽ソリスト4人は、ステージの後方に立って歌っていた。合唱団はP席全体に配置されていたが、全員がマスクをして歌っていたため、一種のこもった響きになり、それが多少のもどかしさを感じさせ、太田と日本フィルがつくる明晰な演奏とのギャップを感じさせたことは否めまい。
 ※正しくは部首が「示」

コメント

今年も1年間拝読させていただきありがとうございました。
東条先生がわざわざ今年末の第九で足を運ばれたのが
太田弦指揮の日本フィルということを先ず嬉しく思いました。
私も今年の第九はインバル、飯守、秋山に加え
進境著しい太田弦を聞かねばと横浜に足を運びました。
入場のときに隣のおばちゃんが「中学生みたい」と評していたのが
個人的にツボで笑ってしまいましたが、
のびた君をも彷彿とさせる外見とミスマッチな指揮ぶり
そして密度の濃い音楽作りに二度驚きました。
全くルーティンな第九では無い、良い演奏会でした。
世界の山田の次を走る期待の星ですね。
来年は在京オケで更に彼の活躍を聞きたいものです。
この後、何周りも違う楽団最年長クラスの秋山、インバル、飯守との
聴き比べが年の瀬最後の楽しみです。
少し早いですが、先生もよいお年をお迎えください。

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