2024-03

2022・12・22(木)METライブビューイング ヴェルディ:「椿姫」

       東劇  6時30分

 2018年にプレミエされたマイケル・メイヤー演出版の再演で、今回はダニエレ・カッレガーリが指揮、ネイディーン・シエラのヴィオレッタ、スティーヴン・コステロのアルフレード・ジェルモン、ルカ・サルシのジョルジョ・ジェルモン、といった主役陣で上演された。11月5日の上演ライヴである。

 ブロードウェイの大物演出家マイケル・メイヤーが舞台を手がけたとあって、プレミエの際には鳴り物入りで騒がれたものだ(☞2019年2月9日の項)。
 ただ、彼の演出としては、ストーリーをラス・ヴェガスに置き換えた数年前の奇想天外な「リゴレット」などとは違い、こちら「椿姫」は、至極ストレートな手法である。第1幕前奏曲の中でヴィオレッタの死の床の場面により始めるテなど、とりわけ珍しいものではない。季節の移り変わりを反映した趣のあるクリスティーン・ジョーンズの舞台美術はよく出来ていると言えるだろう。

 歌手陣では、やはり最近売り出し中のソプラノ、ネイディーン・シエラが注目されるだろう。METデビューは2015年の「リゴレット」のジルダだったが、フロリダ生れというからアメリカのお客が熱心に応援するのも無理はない。先シーズンにも現代スタイルの「ルチア」で評判をとったばかりだ。まだ若くて硬質なところもあるが、声はよく伸びるし、何となく昔の人気女優レスリー・キャロンを思わせるフェイスも親しみを呼ぶのだろう。

 カッレガーリの指揮がいい。オーケストラをよく引き締めているし、小気味よいテンポで緊迫感を失うことがない。
 それに、特に今日感心したのは、まず一つはMETのカメラワークの巧さだ。登場人物の表情と舞台全体の動きを実にバランスよく工夫して構成している。第2幕でアルフレードとヴィオレッタが2人だけで激しく応酬する場面など、ライヴの生中継映像とは思えぬほど見事なカメラワークであった。
 もう一つは録音の良さで、オーケストラの厚みが素晴らしく、第2幕でヴィオレッタが激情的にアルフレードへ別れを告げるくだりのオーケストラの巨大で重厚なトレモロは圧倒的だった━━これは東劇の音響の良さの所為もあるだろう。

 終映は9時50分頃。

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