2024-03

2023・1・29(日)カーチュン・ウォン指揮日本フィル

      東京芸術劇場 コンサートホール  2時

 首席客演指揮者にして次期首席指揮者でもあるカーチュン・ウォンが振る演奏会は、今月もいくつかあったが、スケジュールの関係で、聴けたのは今日の公演だけになった。
 今日はラフマニノフ・プロで、小菅優をソリストに迎えての「ピアノ協奏曲第3番」と、「交響曲第2番」。コンサートマスターは扇谷泰朋。

 初めて1階RBのA列という席で聴いたが、ステージにかなり近い位置で、音響はなかなか良い。この席でこのコンチェルトを聴くと、ふだん2階席正面で聴く時よりも、ソロのピアノがオーケストラにかき消されることなく、かなり明晰に聞こえるという特徴が感じられる。ただ、小菅優の演奏は、充分に躍動的ではあっても、基本的にはどちらかというと端整な感があって、ラフマニノフのコンチェルトとしては些か華麗さに不足する感があるだろう。この曲がそうした解釈の演奏に適しているかどうかということになると、これはまた議論の対象になるだろうけれど。
 カーチュン・ウォンが日本フィルから引き出した音は━━この席で聴くと、すこぶる柔らかくて豊麗な響きとなる。

 「第2交響曲」の方では、カーチュン・ウォンは、曲を実に端整に構築した。第3楽章ではそれなりの美しさを生み出していたが、第4楽章では、どれほど音楽が昂揚する個所でもしても全く忘我の熱狂に達することなく、大詰めの個所などもイン・テンポで押し通し、実に整然と曲を閉じる。このあたり、作品によってウォンがさまざまにスタイルを変える例の一つであり、その変動の基準は、相変わらず判別し難いものがある。

 客席は、気持のいいほど埋まっていた。次期首席指揮者がこれほどの人気を集めるというのは、日本フィルにとって嬉しい兆候だろう。

コメント

これだから演奏会通いはやめられません

感想拝読しました。仰ることはよくわかります。端整と言われれば、確かにそういう聞き方もあるんだなあ、と思いました(この手の曲はやや苦手でしょうか?)。でも、自分の中では、滅多にない「一生もの」の演奏会でした。大好きな曲を「かくあるべし」とばかりに演奏してもらい、特に交響曲では、カーチュンの並々ならぬ思い入れと、こちらの思い入れがピタッと合わさって、琴線に触れ続けた一時間でした。これだから演奏会通いはやめられません。以前のマーラー5番の時は、オケへの極めて高い要求が、まだ必ずしも満たされず、カーチュンもやや不満そうな終演後でしたが、今回はオケ共々、達成感が表情に表れていました。日本フィルもよく頑張ってカーチュンについていったと思います。いつもながらですが、HrとTrpは特に見事でした。何とかならないかなあと思うのはティンパニです。固い音を要求されたときに極めて固い撥でしか対応できない奏者なので、2番のスケルツォの最後など、バルトークじゃあるまいし、という珍妙な音でした(二週間前の英雄の冒頭もあんな音でした)。あそこまで硬い撥でなくとも、叩き方のテクニックで指揮者の要求を満たすソリッドな音は出せるはずです。そこだけが、日フィルの鬼門になりつつあると思います。もっとも以前の首席よりはマシですが・・それにしても、ラザレフ以来、日フィルの指揮者のチョイスは見事としか言いようがありません。

28日横浜で聴きました。
協奏曲では小菅優の何かに取り憑かれたような弾きっぷり。
交響曲では歌うところはたっぷり感情を込め、鳴らすところは激烈を極めたエキサイティングな演奏でした。
驚いたのは交響曲の第4楽章で、再現部のほとんどをカットする版を使ったこと。
完全版がすっかり定着した今になって、結構大胆なことやる指揮者だなと思いました。

横浜では交響曲の第4楽章で再現部のカットがあったということですが、池袋では完全全曲盤で、一楽章の最後もティンパニを加えずにスコア通りでした。二日連続の演奏で、カットするしないということがあるとしたら。それこそカーチュンの変幻自在の表れだと思います。ただ、横浜ではソリストもオケもアンコールがあったということなので、カットはありうる??でも不思議です

池袋でもカットしていましたよ。聴き逃がされたのですね。

全然気がつきませんでした・・・

>池袋でもカットしていましたよ。

クラオタ出直しですね(涙)

カーチョンウオンのラフマニノフ2番

カーチュン.ウオンが登場したのは3年前?の大阪響定期でのストラビンスキー.ブルチネルラとラフマニノフ2番でした。まだ新進気鋭という印象でしたが。その後こちらではセンチュリー響。兵庫芸文、マーラ1番。と最近の定期.伊福部。バルトークオケコン 大フィルもそして日フィルと飛ぶ鳥を落とす勢い。親日家で赤穂のカキを味わったという。思えば大阪響の眼は素晴らしい。

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