2024-03

2009・3・5(木)クリストフ・プレガルディエン
「ハイネの詩による歌曲」

   トッパンホール

 プレガルディエンがシューマンの「詩人の恋」やシューベルトの「白鳥の歌」抜粋などハイネの詩による歌曲集のCDを録音したのはもう十数年も前のことだが、それと今夜の歌唱を聴き比べると、もはや別人の趣だ。
 近年は、テノールというよりは、バリトンの声質の色合いがますます強くなった。表現もはるかに劇的で、激情的である。

 それゆえ今夜の「詩人の恋」は、恋に悩む青年のロマンティックな心の吐露などではなく、怒り、闘い、毅然と生きる詩人の激しい独白といったような表現になっている。「白鳥の歌」の中の「影法師」や「アトラス」などでも、そのドラマティックな凄みが生きる。シューマンの「2人の擲弾兵」など7曲にも、同様の特徴がみられる。
 ハイネの詩を、単なる愛の苦悩から怒りと強靭な意志にまで昇華させた彼のこのような解釈は、たしかに一理あるだろう。必ずしもすべて共感はできないにしても。
 来週月曜日には、彼はHakujuホールで「美しき水車屋の娘」を歌う。どんな風になるだろう。

 ピアノのミヒャエル・ゲースが、この激しい歌唱に負けじ劣らじと怒号する。
 しかし、いくらなんでも、もう少し神経を使ってくれないものか。強音はあまりに騒々しい。それに音が汚い。しかもしばしば、バタンと大音響を立てて楽譜をめくる。「プログラムをめくる際に音を立てないようご配慮下さい」という会場アナウンスは、ピアニストにも言って下さい。

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