2024-03

2023・2・9(木)マティアス・バーメルトと札響の東京公演

        サントリーホール  7時

 2018年から首席指揮者を務めているスイス出身の老練、マティアス・バーメルトが今年も東京公演を指揮。プログラムは、武満徹の「雨ぞふる」、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」、シューベルトの「交響曲《ザ・グレイト》」。協奏曲のソリストはカール=ハインツ・シュッツ(ウィーン・フィルの奏者)と吉野直子。コンサートマスターは会田莉凡。

 バーメルトの指揮する札幌交響楽団を聴くのは、これが3度目か4度目になるが、今夜の「ザ・グレイト」を聴くと、今や両者の呼吸が見事に合致しているという印象を受ける。
 そして彼の指揮には、最近の若手や中堅の指揮者からはもう全く聴けなくなったようなタイプの、ヒューマンなあたたかさ、攻撃的にならずに音楽を愛でるといった姿勢が感じられる。一種の反時代的なスタイルと言えぬこともないが、しかしその音楽にみなぎりあふれる毅然たる剛直さは、彼がそのスタイルを自信満々押し通していることを示すものだろう。その頑固さは、やはり立派だ。

 これほど懐かしい、心の休まるようなシューベルトを聴いたのはいつ以来か。アンコールで演奏した「ロザムンデ」のバレエ音楽の一節も、言葉につくせぬほど温かいものだった。バーメルトの指揮に対する札響の反応も、完璧だった。

 武満作品をプログラムに加えたのは、この作曲家に縁の深い札響としては当然の姿勢だろう。ただしこの曲を初めて演奏したのはつい最近、バーメルトの指揮によってだというから、意外だ。
 コンチェルトでは、シュッツが伸びやかなモーツァルトを聴かせたが、吉野直子の方は(音量的にも)少し控えめに協演したか。アンコールで演奏したイベールの「間奏曲」が爽やかだった。

 「ザ・グレイト」の第2楽章が終った時、2階席の真ん中あたりから発音不明瞭な大声と拍手(それも長い)が飛んだのには驚いた。「オーボエさん、お見事!」と言ったような気がしたが、定かではない。いずれにせよ、たしかに今日の第2楽章のオーボエ(関美矢子さんか?)は素晴らしかった。

コメント

お見事でした。

前半のソロ(特にフルート)も流麗で鮮やかでしたが、やはり当日の白眉は後半の「ザ・グレイト」でした。東条先生ご指摘のとおり、バーメルトの指揮に前近代的な雰囲気を感じました。基本的に右腕が拍を打つだけ、左腕は補助的な動きにとどまり、ときどき両腕を横に拡げるような動きがある、そのような非常にシンプルで、ある意味、情報量に乏しい指揮なんですが、その抑制的な動きに札響が見事に反応し、表情豊かな音楽が溢れ出てきました。札響は弦も管も好調で実に安定、フィナーレの後半で少し疲れが出たように思えたのは惜しかったですが、素晴らしいシューベルトを聴かせてくれました。
バーメルトの指揮を見ていて小生の頭によみがえったのは、セルの指揮する姿のDVD映像(放送録画)で、ああ確かに昔の指揮者は図形を繰り返すような単調な指揮をしていたなぁと懐かしく思い出したのですが、プログラムによるとマエストロ・バーメルトはセルに師事していたのですね。う~ん、なるほど。
しかし、あの楽章間の奇声と拍手はなんだったのでしょう。3楽章終了後にまたあるのではないかとヒヤヒヤしました(苦笑)。

雄大なスケール感と風格。まさにザ・グレイトな演奏でした。
バーメルトには是非東京のオケも振ってほしいです。
関東在住の小生にとっては札幌まではとてもとても。
帰りがけに貰った北海道産片栗粉で鳥のから揚げ作りました。
ザ・グレイトに出来上がりました。

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