2024-03

2023・2・26(日)hitaruオペラプロジェクト「フィガロの結婚」

      札幌文化芸術劇場hitaru  2時

 札幌文化芸術劇場hitaru(札幌市芸術文化財団)が、新たなオペラ活動を創造・発信するプロジェクトを開始している。2021年にそのプレ公演として「蝶々夫人」を上演し、今回はいよいよその第1弾として、モーツァルトの「フィガロの結婚」を取り上げた由。
 前回は北海道二期会との共同主催とのことだったが、今回はhitaruの単独主催となり、「協力」という形で北海道二期会や札幌室内歌劇場や札幌オペラシンガーズなどの名がクレジットされている。

 いずれにせよ、北海道最大の、いや首都圏以北では最大規模の劇場であるhitaruが、北海道のオペラ活動を積極的に支援するとともに、自らもオリジナルの制作活動を行うことは、当然の責務と言えよう。今回の企画がその力強い第一歩となるよう期待すること切である。

 この「フィガロの結婚」は、指揮が奥村哲也、ピットには札幌交響楽団。合唱はhitaruオペラプロジェクト「フィガロの結婚」合唱団。演出は三浦安浩、美術は松生紘子。
 歌手陣は主に北海道出身の人たちをオーディションにより選んだとのこと。ダブルキャストの今日の初日には、大塚博章(フィガロ)、三浦由美子(スザンナ)、岡元敦司(アルマヴィーヴァ伯爵)、倉岡陽都美(伯爵夫人)、川島沙耶(ケルビーノ)、葛西智一(バルトロ)、小平明子(マルチェリーナ)、岡崎正治(バジリオ)、その他の人々が出演している。大塚さんはゲストかと一瞬思ったが、彼も北海道の岩見沢出身なのだそうだ。

 東京から(日帰りで)観に行ったからには、全曲を楽しく味わうつもりだったのはもちろんだが、後述のような理由で、第2幕までしか観られなかったのは甚だ残念であった。
 札響はなだらかながら綺麗な音で演奏していたし、歌手陣も第2幕ではケルビーノをはじめ、みんな格段に調子を上げて行っていた。緊張がほぐれるにつれ、おそらく後半では尻上がりに闊達になって行ったのではないかと推察する。

 三浦安浩の演出は、ト書きではその場に指定されていない人物をも多数登場させるという手法で、特に第1幕では各主要人物にもクロスフェイドするように「出番でないところで」盛んにその場を徘徊させるという手法だった。それが果たして舞台上の視覚的変化を狙ったものなのか、あるいは登場人物の意識下の現象を表現するものだったのかどうかは、少なくとも前半においては解り難かったというのが正直なところ。後半まで観ていれば、それが判明するのかもしれなかった。

 4層の客席(最大2302席)は、今日はほぼ満席と見えた。この盛況を一場の夢とすることなく、北海道にも本格的なオペラが根付いて行くようになれば幸いであろう。

 なぜ第3幕以降が観られなかったのか? 実は第2幕のあとの休憩時間に、ANAからの緊急メールで、新千歳空港の大雪のため、私の乗る夜の羽田行きの988便が欠航になるとの連絡が入っていたのを知った。代替として翌朝8時半の羽田行き052便を利用されたし、とある。今朝午前中に札幌に来る時も3時間近くの遅れだったから、嫌な予感はしていたのだが━━。
 そもそも日帰り予定だったためホテルも予約していなかった上に、その場で空港のターミナルホテルに問い合わせてみても既に「満室です」と断られてしまっては、パニック状況になるのは已むを得まい。かくて路頭に迷わぬための対応に追われ、そのあとは電話にかかりきり、客席に戻る余裕すらなくなった、というのが実情なのだった。

 結局万策尽きて、旧知の北海道新聞の田中秀実さん(折しも自宅前の雪かきをして風呂に入っていたという)に救けを乞い、然るべきホテルを市内に取ってもらい、翌朝のANAからの指定便で帰京できたという次第であった。
 それにしても、ニュースによれば、夜の新千歳空港は大変だったらしい。350人ほどが空港で夜明かししたと報じられていた。私のような高齢者が採るべき道ではない。劇場で隣席に座っておられた東京のオペラ関係者のS氏は、第2幕のあとで「帰りが心配だから、私はこれで失礼して空港に行きます」と先に出て行かれたが、如何されただろうか。

※当初掲載の記事のデータの一部に誤りがありました。コメントで指摘して下さった方にあつく御礼申し上げます。

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