2024-02

2023・3・6(月)メッツマッハー指揮新日本フィル&テツラフ

      サントリーホール  7時

 メッツマッハーがかつて新日本フィルの指揮者だったことなど、今では想像もつかないことのように思えてしまうが、振り返ってみるとあれは、僅か10年足らず前のことに過ぎなかった。

 ともあれ、メッツマッハーという人は、私には何か強面の指揮者というイメージが抜けないのだが、今回も彼は強面のプログラム━━ウェーベルンの「パッサカリアop.1」、ベルクの「ヴァイオリン協奏曲」、シェーンベルクの交響詩「ペレアスとメリザンド」を指揮してくれた。しかもコンチェルトでの協演がクリスティアン・テツラフだから、これは何となく「恐怖のコンビ」という雰囲気かもしれない。
 最近の新日本フィルの定期の中では極めて強気な、意欲的な選曲だが、その分、客足は少し落ちていたか。だが、非常に熱心な愛好者たちが集まっていたように感じられる。コンサートマスターは西江辰郎。

 「ペレアスとメリザンド」が、日本のオーケストラから、これほど豪快に、しかも色彩的に、時には官能的な音色を以て響いたのを聴いたのは、カンブルランが読響の常任指揮者就任定期で指揮した時以来のことである(厳しい構築性という点では、スダーンと東京響のそれを挙げる)。あの「浄夜」の一節を想起させられる官能的な個所が、今回ほど濃厚に再現されていたのを聴いたのも初めてだ。新日本フィルの演奏をも讃えたい。全体に荒々しく、劇的な側面が強調された凄まじい演奏ではあったが、とにかく面白かった。

 ベルクの協奏曲を弾いたテツラフも、メッツマッハーの押しの強い指揮に対し一歩も退かず、これも強面の緊迫感に富む演奏を聴かせてくれた。この曲の標題的な内容から言えば、先日のカプソンの演奏の方がそれに合致しているように思われるけれども、しかし今日の「恐怖のコンビ」の演奏は、ベルクの音楽の「強さ」を感じさせて、聴きものだった。
 ソロ・アンコールで弾いたバッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番」の「アンダンテ」も、快いほど明晰で透徹した表情に富んだ演奏だったのも、いかにもテツラフらしい。

コメント

久し振りのメッツマッハ-

ここ十年あまり新日本フィルを聞いてきて、一番印象深い指揮者がメッツマッハーでした。
その彼が久し振りに(多分2015年以来)来るというので馴染みがないプログラムでしたが行きました(3/4)。
新日本フィルからあれほど粘っこくて芯がある音をメッツマッハー以外には引き出せないだろうし、オケは本当にパワーアップしていました。
楽団員の演奏中の真剣さと終わった後の笑顔が格別でした。皆さんも納得できた演奏だったのだろうと思います。
腰と膝で弾くかのようなテツラフはノンヴィブラートで独特の弱音を聞かせてくれました。
先生は客足は少なめとご覧のようでしたが、私はメッツマッハーの再登場を切望しています。

テツラフ

お疲れ様です。3月4日トリフォニーです。最近わが国の若手ヴァイオリニストはテクニックは素晴らしくても、音楽的にどうか、と感じる人も多いが、ここでのテツラフは、終始「音楽」を感じさせた。
シェーンベルクの曲は、リヒャルト・シュトラウス並みにもっと普段やられるべきと思った。

これぞ、マッハ

彼の指揮する演奏のなかで、2014年、津軽弁の語りとともにする「ユビュ王の晩餐のための音楽」が今でも心に残っています。ほかにも名演多数ありました。そうしたなか、新日フィルとの演奏、先生のご指摘とおり、少々粗しさがあった一方で、まだ伸び代がありそうだと感じました。ここ数年、正直、震災以降、オケの良さがどこへっという感じでしたが、先日の演奏から、もう一度、音楽づくりをしていけば、まだまだいける、メンバーが入れ替えわったとしても、そのなかで音楽づくりができるのでは、と少しほっとした次第です。名指揮者に頼ることなく、名演を聴かせてもらいたいです。

トリフォニーで聞きました。メッツマッハーを最初に聞いたのは30年くらい前のN響定期だったのですが、ヤナーチェクのシンフォニエッタ、ラヴェルの左手、ルトスワフスキのオケコンという強烈なプログラムで、今でも印象に残っています。私はひょっとしたらN響の常任指揮者は彼が本命なのではないかと考えたのを思い出します。図らずも彼のDNAは新日本フィルに引き継がれる事になり、今回それが確認出来たのは嬉しい限りですが、N響がいろいろな指揮者とルトスワフスキのオケコンを演奏するようになったきっかけは、やはりメッツマッハーとの共演にあったのではと思わずにはいられません。いろいろな形で今後も来日してほしい指揮者です。

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