2024-03

2023・3・7(火)METライブビューイング「フェドーラ」

     東劇  6時30分

 ジョルダーノの「フェドーラ」。デヴィッド・マクヴィカーの新演出によるプロダクションで、去る1月14日のメトロポリタン・オペラ上演のライヴ映像。
 マルコ・アルミリアートが指揮、フェドーラをソニア・ヨンチェヴァ、ロリス・イバノフをピョートル・ベチャワ、オリガをローザ・フェオラ、デ・シリエをルーカス・ミーチェム、ほか━━という配役。

 ヴェリズモ・オペラの歴史上ではかなり有名な作品だが、あまり観る機会がない。METでも25年ぶりの上演だとか。
 25年前の舞台と言えば、舞台上でピアノを弾く「ポーランドの名ピアニスト」の役に、あのジャン=イヴ・ティボーデが出演した時だろう。私がPMFで彼にインタヴューした際、彼がその時の話を詳しくしてくれて、「あれが私のメット・デビューでした」と大笑いしていたことを思い出す。今回出演したピアニストは、もちろん彼ではない。METの専属ピアニストだそうである。

 ストーリーはヴェリズモ・オペラらしくリアルで刺激的で、陰惨極まりないものだが、とにかく、よく「歌う」オペラだ。ヨンチェヴァは出ずっぱりで声をビンビン響かせ、役柄も気位の高いロシアの皇女だから、しばしば居丈高な態度になり、歯をむき出して相手を威嚇する表情を見せるという具合で、その恐ろしいほどのエネルギーは見事なものだ。対するベチャワも、第3幕で怒りに荒れ狂う場面などでは迫力満点の歌唱。
 こういう音楽は「アンドレア・シェニエ」などにおけると同じく、ジョルダーノのお家芸である。アルミリアートの指揮はさすがにツボにはまっている。

 終映は9時10分頃。オペラは正味2時間と少しの長さ。「マイスタージンガー」などに浸った後では、随分短く感じられる。やはり、短い方が有難い。

コメント

2000年に仕事でニューヨークに行ったとき、知り合いに頼んでMETのチケットを取って貰いました。
演目は「フィデリオ」で、指揮はジェームズ・レヴァイン。歌もオケも素晴らしいものでしたが、演出だけは余りにも現代風でかなり違和感があり、いくらベートーヴェンの真面目の極のような歌劇とはいえ、ちょっとやりすぎではないかという感もありました。
ただその際、印象に残ったことがいくつかあります。
一つはほとんど毎日、昼、夜と公演があって、その大部分がsold out、歌劇人口の差を見せつけられました。
チケットの値段は当時で最高$300、ただし5階の天井桟敷はなんと$25で、私の取って貰ったのはこの席だったのですが、隣の席には台湾からの若い留学生の女性が座っていました。彼女はジーパン姿でしたが、1階の$300の席はそれこそタキシードを着込んでリムジンで送迎されるような人が一杯で、階層に応じた価格を設定することでおよそ音楽を楽しみたいという人のすべてに開放する、というのがフィロソフィとしてあるのかなと感じました(1階席を取って貰わなかったのが正解でした)。
もう一つ印象に残ったのは、とても大きい劇場で、オケピの奥行きが日本の劇場の2倍はあろうかという感じでした。オケピでの演奏にも拘わらず音響の質もかなり高く、ここでも文化に対する投資の違いをまざまざと見せつけられる思いでした。

長々と申し訳ありません。

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