2024-03

2023・3・13(月)河村尚子 サントリー音楽賞受賞記念コンサート2

       サントリーホール  7時

 9日の「室内楽」に続く今日は、「協奏曲」。山田和樹が読売日本交響楽団を指揮して協演するという、豪華な記念コンサートとなった。
 前半にアメリカの女性作曲家エイミー・ビーチ((1867~1944)の作品を二つ、オーケストラ曲の「仮面舞踏会」と、「ピアノ協奏曲嬰ハ短調op.45」。そして後半にブラームスの「ピアノ協奏曲第2番」が演奏されるというプログラム。

 ビーチの作品はいずれも19世紀末に書かれたものだが、曲のスタイルはまるで19世紀前半のそれ。どんなスタイルを採ろうと結構だが、肝心の曲が、美しいけれども、甚だつまらない。特に演奏時間も40分近いこの協奏曲、見事暗譜で演奏した河村さんには申し訳ないが、些か辟易させられた。

 したがって今日は、やはりブラームスの「2番」が全てである。河村尚子の実に気宇の大きな、しかも瑞々しい活気にあふれた演奏。胸のすくように爽やかな息吹に満ちている。イタリア旅行と避暑地プレスバウム滞在から得たというブラームスの「明るい気分」なるものが、ここでは良い意味で文字通り開放的に、しかも若々しさを伴って歌われて行った。

 それに山田和樹の指揮のシンフォニックな推進力が目覚ましい。表情も豊かで、ピアノが快活に歌う音楽をオーケストラが引き取り、いっそう煽り立てておき、その勢いでさあどうぞとピアノに返す━━という感。両者の丁々発止の演奏には、甚だスリリングなものがあった。良き協演者を得て、今日の河村尚子のブラームスは大成功を収めたと言えよう。
 読響の演奏も緻密で壮大で、第3楽章のチェロのソロも力に満ちて爽やかだ。

 ソロ・アンコールは、クララ・シューマンが編曲した夫ロベルト・シューマンの「献呈」。今回のテーマの一つ「女性作曲家」の、これが美しい締め括り。

コメント

エイミー・ビーチの曲は、私も退屈しました。
特にピアノ・コンチェルトはオクターブを駆使して豪快な演奏になるも、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲」や「ロンド・カプリチオーソ」のように、高度な技術は要しなくてもそれなりに音を鳴らすことが出来る体の曲に感じた。
プログラム冊子にビーチは、『中流家庭に育った』と記されていたが、恐らく裕福な家庭環境であったのだろうと勝手に想像し、そのような家庭環境もメンデルスゾーンに通じていることから、尚のことメンデルスゾーンのつまらない曲と重ねてしまった。
勿論、メンデルスゾーンは素晴らしい作曲家、音楽家であり、素敵な曲を沢山残していることに異論は無い。

ブラームスの2番は、第1楽章ではじっくりと進めたい河村さんと、テンポアップしたい山田さんとの呼吸のズレが多少感じたが、最初だけ。第1楽章後半から第2楽章では演奏により熱がこもり、第3楽章ではたっぷりとした質感で奏でていた。
第4楽章では熱が入りすぎたのか、河村さんが息を切らしているように感じ、ハラハラした部分が少々。

このブラームスの2番のコンチェルトで、こんなにもビオラとチェロを美しく際立たせた演奏は、今回の山田さんが初めて。

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