2024-02

2023・3・15(水)新国立劇場 オッフェンバック:「ホフマン物語」初日

      新国立劇場オペラパレス  6時30分

 ノヴォラツスキー芸術監督時代の2003年11月にプレミエされたフィリップ・アルロー演出・美術・照明によるプロダクション。今回が5度目の上演になる。

 ノヴォラツスキーは、在任時代には随分あれこれ言われたけれども、彼のもとで新制作されたプロダクションの中には、アンドレアス・ホモキ演出の「フィガロの結婚」、ジョナサン・ミラー演出の「ファルスタッフ」や「ばらの騎士」など、現在でも再演に堪える優れたものが少なくない。この「ホフマン物語」もそのひとつで、アルローの華麗な、洒落た舞台装置はなかなかの魅力だ。

 敢えて難点を言えば、その舞台が賑やかなために、時として主人公たちの存在を見極めにくくなってしまう個所があることだろう。特に「ジュリエットの場」ではそれが著しく、プレミエの時から既にそういう印象を受けた記憶がある。

 なおこのプロダクションでは、「ジュリエットの場」を最後に置く構成の、所謂エーザー版が使われており、従ってラストシーンでは、全員が詩人の芸術を讃える大合唱を繰り広げるという光景になる。このアルローの演出ではホフマンが自殺するという設定で、このテは以前にもどこかの劇場で観た記憶があるのだが・・・・。

 今回の歌手陣は、レオナルド・カパルボ(ホフマン)、エギルス・シリンス(リンドルフ、コッペリウス、ミラクル博士、ダペルトゥット)、小林由佳(ニクラウス、ミューズ)、安井陽子(オランピア)、木下美穂子(アントニア)、大隅智佳子(ジュリエッタ)、谷口睦美(アントニアの母、ステッラ)、晴雅彦(スパランツァーニ)、須藤慎吾(シュレーミル)、伊藤貴之(ルーテル、クレスペル)そのほかの人々。
 今日の印象では、題名役のカパルボがえらく癖の強い歌い方で、聴いていると少々疲れて来るのと、木下美穂子の声がジュリエッタ役としては少し重いのではないかということを除けば、概して満足すべき出来だった。安井陽子の人形オランピアは今回も秀逸だっただろう。

 三澤洋史が率いる新国立劇場合唱団は今回も見事だった。不満を残したのは、マルコ・レトーニャの指揮と、東京交響楽団だ。オーケストラの音が今回もやはり薄いのだが、そもそもレトーニャの指揮が平板で、活気も今一つなのである。
 終演は10時20分。

コメント

活気が無い?

レトーニャは欧州で実績を残している指揮者で、私もストラスブールで彼の演奏を聴いて感銘を受けたのもあり、日本での評判はどうなのか気になっていました。やはり日本の評論家の耳も、刺激を求めるだけの表面的な抵レベルなものだと、今回の批評を見て感じました。ホフマン物語のあの美しく緻密な音楽に、まず活気を求めるとは驚きです。

17日、マチネー公演を拝見しました。

オーケストラの音が本当に薄っぺらく、まるで何回も繰り返し聴いてすり減ったカセットテープの音源を聴いているかの様に感じました。
舞台上での合唱団の演技もメリハリが無く曖昧で、衣装も蛍光の黄色といった膨張色のため、舞台全体が「ボォ〜ッ」とした感じでした。

新国立劇場は再演物になると、ガタ落ちするのが気になっています。

『トスカ』も初演では気迫のある公演でしたが、再演はオーケストラ、歌手の演技も曖昧になり、ロレンツォ・ヴィオッティが指揮台に立って、やっと初演時の輝きを取り戻したと感じました。

沼尻さんの『フィガロ』もオーケストラの音が際立つことが無く、残念に思っています。

下野さんの『蝶々さん』はマンネリを排し、丁寧にオーケストラと舞台をまとめていたと感じて、後日当日券を購入し、2日間の公演を楽しみました。

今回のこの様な演奏、舞台で3時間を優に超える公演はキツイと思い、第1幕終了後退席しました。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・衛星デジタル音楽放送
ミュージックバード(エフエム東京系) 121ch THE CLASSIC
「エターナル・クラシック」
(毎週日曜日 12:00~16:00放送)出演

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中