2024-03

2023・3・21(火)大野和士指揮東京都交響楽団

       サントリーホール  2時

 大野和士音楽監督と東京都響のコンビは、いま、これまでのいかなる時期をも凌ぐ高みに達しているように思われる。先日の豪壮な「復活」に感銘を受けた私は、今回の精微なバルトークとフランスもので、再びその演奏に舌を巻くことになった。
 今日のプログラムは、バルトークの「舞踏組曲」と「ピアノ協奏曲第1番」(ソリストはジャン=エフラム・バウゼ)、およびラヴェルの「クープランの墓」とドビュッシーの交響詩「海」である。コンサートマスターは「復活」の時と同様、矢部達哉。

 バルトークのコンチェルトでは、打楽器陣は作曲者の指定に近く、ステージ前方のピアノと並ぶような形で配置され、この音のバランスはなかなか良かった。バウゼのソロもすこぶる温かい味にあふれていたが、いずれにせよ前半のこの2曲のバルトーク作品での演奏は、今の大野と都響なら当然このくらいはやってくれるだろう、と思わせるもので、それは曲の性格の故もあったかもしれない。
 なお、バルトークの後のアンコールとして、バウゼと大野とは連弾でラヴェルの「マ・メール・ロワ」から「妖精の園」を弾いてくれた。

 私が驚き、ひときわ感銘を受けたのは、後半のフランスのレパートリー2曲での演奏である。
 洒落た優雅さとか、官能的な色彩感とかいう点では、それはもうフランス系の指揮者やオーケストラの演奏とは全く異なった路線上にあることは確かだが、しかし今日の「クープランの墓」が━━特に「前奏曲」と「フォルラーヌ」での、風のように走り抜ける軽やかさをはじめ、これだけふくよかに、ふくらみのある音を以って響いた演奏は、日本のオーケストラからはなかなか聴けないものだろう。典雅さというよりはスピーディな快さといったタイプの演奏ではあったが、それはそれで好かった。
 そしてドビュッシーの「海」もまた精緻さとダイナミズムとを併せ持った快演で、「風と海との対話」の最終部分での均衡豊かな昂揚など、実に魅力的なものだった。

 こうなると、来週のリゲティ、4月のマーラーの「夜の歌」なども聞き逃せなくなって来るというものだろう。

コメント

ブラボー

大野さんと都響がどこまで行くのか?楽しみが増大^_^ヨーロッパのオケを抜く日も直ぐそこだ🫵

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