2024-02

2023・4・4(火)「レコード芸術」誌休刊の衝撃

 音楽之友社発行の「レコード芸術」誌が、7月号(6月20日発売)を以って休刊となるそうである。私は同誌には寄稿していないし、レコード批評そのものにもほとんど手を出していないけれど、これはわが国のレコード文化の根幹を揺るがす事件に発展しかねないことだし、また個人的にも1955年から購読を続け、今なお全て保管している愛読者としても憂慮せざるを得ぬ。
 同誌は1950年代半ばのある時期、「LPレコード値下げ促進運動」を強力に展開したためレコード会社の怒りを買い、半年のあいだ広告出稿を差し止められたことがあったが、当時はそれでも持ち堪えて出版を続けたものだ。もう少しシンプルなスタイルの雑誌にするか、あるいは「ステレオ」または「音楽の友」との合体を図るかしてレコード評論を継続できぬものだろうか?

コメント

40年ほど購読して当時のLPレコードが殆ど頭に入るほど愛読した、レコードだけでなく音楽の背景にある文化について沢山の教養をえられた
、読み切るのに1週間もかけて。CDが売れず国内メーカーの新譜が減り苦慮の結果だと思われる。著名な評論家が亡くなったことも痛かった、

今の時代、紙の雑誌出版を継続するのは無理で、音楽之友社もようやく英断を下したのだと思います。音楽評論、録音物の評論の本質とは関係ないことだと思います。東條先生のこんな役に立つ記事(録音物の評論もほかにいくらでもただで読めます、玉石混交ですが)が無料で読めたら重くて高い雑誌を買う人がいなくなるのは当然のことで全く驚くに値しないです。
問題は、プロの技術や知識や見識をもった人のアウトプットを無料で手に入れられる今の状況はこのままで大丈夫なのか、という問題意識は大事だと思います、

善処の方法の一つ

音楽の友が存続する限り、同誌がレコード芸術のレコードアカデミー賞を吸収、存続させればいいです。今の市民はもう耳が肥えてる。毎月のレコード芸術の凡庸な批評が文化的に重要だとは、私は到底思えませんね。

「レコード芸術」休刊に思う

 この月刊誌を読んでいた頃は「レコード藝術」と標記されていたように思う。ずいぶん昔のこと。「レコード芸術」となったあとは、図書館の雑誌コーナーでパラパラと捲る程度で購読したことはないし、休刊と聞いて、「まだ続いていたのか」という思いのほうが強い。商業出版社である音楽之友社が部数減の顕著な先細りの雑誌を続ける理由はない。

 考えてみれば奇妙な雑誌名だ。「芸術」というのはコンテンツたる演奏のはずなのに「レコード」という形容句がくっつくのもヘンだし、そもそもCDに替わってしまいレコードはほぼ存在しないのが現実なのだから。
  レコードがまだ相対的に高価で、購入に際して一枚を厳選するのに専門誌の批評を拠り所にしていた時代は確かにあった。今から思うと、毎月発売される新譜の各ジャンルに「特選」だとか「推薦」だとかの折紙付が必ずあるというのもヘンなことだった。愛聴盤となるのは年にひとつあるかないかというのが関の山なのだから。
  レコード産業と持ちつ持たれつ、一握りの評論家が権威のようになり、推薦が売上げに直結していたわけだ。その推薦の内容たるや、独墺系演奏家べったりのステレオタイプだったり、ことさら奇を衒うことを売りにしたりとパターン化されていた。安い輸入版CDが溢れ、自分の耳でいくらでも聴き比べができるようになると、時間差があって国内発売の新譜として発売された際には、この人はこう書くに違いないという予想の楽しみがあり、そんなひねくれた読み方もできた雑誌だった。もうその頃には「終わった」雑誌だったのかも知れない。

 「一部の筆者を中心に、存続を求める署名活動も始まった」という報道もあったが、これも妙な話だ。読者から継続刊行を求める声が湧き上がるならともかく、執筆する側の人たちが雑誌がなくなると飯の種に困るというのだから、正直とも言えるが、いささか情けない話と映る。その発起人に名を連ねる人たちの書いたものは、ほとんど読んだ記憶がない。しかし、書くこと自体を禁じられたわけではないのだから、斜陽のメディアに頼らず生きる道を探すしかないのは当たり前のこと。この雑誌が読まれなくなったのは、なぜなのかをまず考えるべきだろう。

いつも楽しく拝読しております。久しぶりにコメント致します。
簡単に言ってしまえばそういう時代だということなのでしょうけど、残念なものですね。
音楽をはじめ芸術にしろスポーツにしろ、本来的には「言葉」には表し難い、「言葉」を超越した所にその価値が存在する物なのでしょう。私の妻なども映画が大変好きですが、ある作品のどこが良いか、どんな感想を持ったかなどを私などに語る事を好みません(私とは正反対ですが)。
しかしながらやはり、音楽その他の快楽・悦楽を他者と共有するために言葉が有用なのもまた真実だと感じます。そして語る人が語れば、その言葉は音楽に比肩しようかという力を持った名文ともなり得、私たちが音楽を聴く悦びに拡大再貢献?しうる物だと思います。

コロナ禍で数ヵ月コンサートが中止になり、県を跨いだ移動が禁じられた時、いろいろ考えさせられました。東京に行くなと言われるのは何よりも辛い事でした。
欧米のメジャーと呼ばれるような優秀な楽団は、世界中に多くの支持者がいるので、感染症や国際紛争によって一時的に活動の休止を余儀なくされても存続は比較的容易いでしょう。しかし、世界中にある殆どの楽団は、その地域に生きるファンが聴いて支えないと、存続が危ぶまれます。レコード芸術誌がこれまで果たしてきた役割は多大ですが、本当に音楽が好きな人々が「不要不急」という圧力から音楽文化を守り抜く為に優先して取り組まなければならない事に対して、比較的冷淡だったような気がします。休刊は残念ですが、ここ数年の世界情勢の帰結として、必然的だったのだろうと思います。

演奏芸術の今後

 こうした雑誌の減少だけでなく、書店の減少など、出版の今後は大変気になるが、この雑誌の場合、音楽そのものの捉え方が現在、聴衆一般としてどうなのか、という問題も考えねばならないと小生は考えている。
 コロナ前、シンフォニーHなどでも、1人だけ立ち上がり、何度もブラボーをかける人物をよく見かけたし、東京に出た際も、N響で、ホール最後列で異常な大声でブラボーを連呼する者を見かけた。これらは極端な例だが、昔よりも演奏内容に見合わず、やたらにはしゃいだり、興奮する客は見た目にも、非常に増えている。また、東条氏のこのコーナーでも以前に演奏事故でブラボーをかけても人の勝手、などという投稿があったが、演奏者の肩書きに安住する人、大音量が心地よければ、もはや演奏内容はどうでもいいという人、年齢相応の鑑賞力がない、鑑賞力を高めたいという意志もなく、自分はわかっていると過信する人が増えているのを様々な機会に多く実感している。演奏芸術としてでなく、歌謡曲やポップスなどと同レベルの娯楽としてクラシックを捉える人が増加している中では、今回のレコ芸休刊もやむを得ないし、他の音楽雑誌の今後も小生は危惧している。
 一方、熱心なファンでも、例えば、このコーナーでも報告ある「ツーショットおじさん」らしき人物のサイトも見たが、サントリーHを根拠なく非難するなど、その行動もふくめ、思い込みや社会性に欠ける軽率な思考が多かった。また、現在はサイトを閉じてたようだが、以前にあった「オペラの~」という近畿在住者のブログは、プロレベルの詳しい内容、批評の一方、歌手への悪口が多く、なぜか自治体のプロ合唱団をオペラ団体の下部組織と頑なに誤認して非難し、一方で福島県の高校生の合唱団を絶賛、何度も行脚する、小生には理解し難い内容や筆者の行動が見られるサイトであった。
 このようなファンのサイトが音楽界の成長、良質なファンの育成や増加に貢献できるかどうか、その答えは言うまでもない所であると思う。
 良質な音楽をどのように理解するか、または芸術に自らがどう向き合い、自らをどう見つめ直してゆくか、そうした過程を、どのように聴衆に促してゆくかが、経営、運営と並行して、今、クラシック音楽界、あるいは関係者、演奏団体、演奏家に大きく迫られているのだと小生は考えている。

レコ芸存続問題

音楽の友社の編集部内でのスタッフの変化の問題も当然にあるでしょうが、それとこれとは別の課題として、東条さんのおっしゃる通り、音楽の友とステレオとレコ芸を融合させる案があります。
また、音楽の友とレコ芸との合体もあり得ます。要するに、これは一つの企業としての出版社の内部の問題としては解決不可能です。
ですから、広告収入に見合った可能なページ数、コンテンツの淘汰と再編、執筆者の淘汰と再編、これらを総合的に再検討すること。
それから軌道に乗せるまでの一時的にでも、
クラウドファウンディングを行って、企業の収益の減少を最小限に抑えるという施策をとるのが、読者からも出版社からも大局的な見地からも最も有益で有効な方法と考えます。
その際の執筆者の淘汰の作業は、一番簡単です。読者及び今は離れた読者、それに一般からも広くアンケートを取れば浮き彫りになりますよ。
これには、出版社もエロ雑誌との違いをよく考えて臨んで頂きたいと切に願うものであります!

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