2024-02

2023・4・21(金)トレヴァー・ピノック指揮紀尾井ホール室内管

       紀尾井ホール  7時

 30年前までピリオド楽器のオーケストラ「イングリッシュ・コンサート」を率いていた名指揮者トレヴァー・ピノック。昨年4月からこの紀尾井ホール室内管弦楽団の首席指揮者に迎えられている。
 昨年9月のその就任記念定期は残念ながら聴けなかったが、以前にも何度か彼がこのオケに客演指揮した時にも聴く機会があったし、しかもそれらすべてがスリリングな演奏だったので、今回は如何に、と大いなる期待を抱いて聴きに参上した次第だ。

 プログラムは、第1部にシューベルトの「イタリア風序曲ニ長調D590」とモーツァルトの「交響曲ニ長調《ハフナー》」、第2部にシューベルトの「交響曲ハ長調《ザ・グレイト》」。コンサートマスターは千々岩英一。2回公演の今日は初日である。

 予想通り、極めて刺激的な、尖った、凄まじく活気のある演奏だ。気魄に燃え立った闘争的な演奏━━というのもおかしな表現だが、要するにそういう猛烈な勢いに満ちた演奏だったのである。叩きつけるようなアクセント、激烈な最強奏、冷徹に澄んだカンタービレ。

 それゆえアンサンブルは些か粗っぽくなってはいたが、最初の序曲ではガサガサしていたアンサンブルも、「ハフナー」では第3楽章からしなやかな音色を取り戻したし、「ザ・グレイト」も第3楽章を境に合奏の均衡を取り戻していたところなどからみると、結局はオーケストラの「慣れ」の問題だろう。2日目の演奏の時には解決できそうな問題である。
 ただし、ピノックが年にそれほど繁く指揮しない状態では、こういう現象がこれからも繰り返されないとも限らないのだが、そこをオーケストラ側が如何に解決できるかが課題であろう。

 しかしいずれにせよ、紀尾井ホール室内管は、自ら刺激を求めて、いい指揮者をシェフに選んだものだと思う。これから面白くなるだろう。私たち聴き手の側でも、聴き慣れた作品群が新しい衣をまとった姿で立ち現れて来るのに出会えるはずだし、それゆえ何が起こるか予想できないというスリルを味わうことができるだろう。

コメント

2日目聴きました。

たった43人の編成なのに、フルオケにも匹敵するようなたくましい演奏(特にヴァイオリン群)で、大いに気分が高揚しました。何回聴いても最後のドー、ドー、ドー、ドーのユニゾンには圧倒されます。ピノックにはぜひブルックナーの初期交響曲をやってほしいです。

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