2024-02

2023・4・23(日)クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団

        東京オペラシティ コンサートホール  2時

 メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」序曲に始まり、ヤン・リシエツキをソリストにショパンの「ピアノ協奏曲第2番」、最後にドヴォルジャークの「新世界交響曲」というプログラム。
 日曜午後の名曲プログラムとあって、客席はほぼいっぱいの入りだ。平均年齢層は高いようだが、コロナを乗り越えた(感のある)今、客の出足が復活したというのは、何を措いても目出たいことである。

 ウルバンスキ、この東京響の首席客演指揮者に就任したのがもう10年前になるが、たった3年しか続かなかったのが残念だ。相変わらず切れ味鋭い個性的な指揮を聴かせてくれる。今日のハイライトは━━もちろん進境著しいリシエツキのショパンも実に、実に魅力的だったけれど━━それ以上にスリリングだったのは「新世界交響曲」だった。

 これほど面白い「新世界」に出会ったことは滅多にない。ウルバンスキはアメリカでドヴォルジャークの自筆譜に触れ、多くの新鮮なアイディアを得たと語っているそうだが、今日の演奏のどの個所がそれに当たるのかは、定かでない。彼自身の解釈が織り込まれている個所も多いだろう。
 だがアクセントの付け方、フレーズの歌わせ方など、至るところに聴き慣れない扱いが施されていて、その悉くが新鮮な魅力を感じさせるのである。

 第2楽章の終り近く(第107~109小節)の各フェルマータを驚くほど長く設定して謎めいた神秘性=郷愁を感じさせたり、第4楽章のただ1回のシンバルを特殊な叩き方にさせたり(これは意図的なものだったと思うが、とにかく結果的に異様な感を与えたのは確かである)したのは、目立った例に過ぎない。第4楽章コーダでの追い込みの巧さにも感心させられた。

 第2楽章で有名な主題を吹くイングリッシュホルンを下手側の3階席で吹かせたのには驚いたが━━実は1階席からはそれが見えなかったので、音の響きからすると木管群の下手寄りに位置していたのではないか(それだけでも風変わりなことだし)と思い込んでいたのだ。カーテンコールで奏者が3階席から顔を覗かせたので、初めてそれと知った次第である。

 これら精妙な手法に、東京響(コンサートマスターはグレブ・ニキティン)は巧みに反応していた。極めてフレッシュな「新世界交響曲」だった。ウルバンスキには、もっと繁く来てもらいたいものだ。

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