2024-03

2023・5・6(土)ラ・フォル・ジュルネ3日目(最終日)
ベートーヴェン名作交響曲たちのリズム~多国籍打楽器アンサンブルの饗宴

     東京国際フォーラム ホールD7  5時15分~6時

 2020年以来、新型コロナ流行のため中断されていた音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」が再開された。

 4年ぶりの開催となる今年のフェスティヴァルは、本拠の東京国際フォーラムでの有料コンサートがA、C、D7の3つのホールでのみ、その他にホールB5でのマスタークラスと講演会、ガラス棟ロビーギャラリーでの「ぴあクラシック+OTTAVA」などのイヴェント、ガラス棟会議室でのオーディオコンサート、周辺エリア(東京駅、帝国ホテル、丸ビル、大手町プレイスなど)での小さな演奏会━━などが催されている。

 有料コンサートの開催時間は昔通りの朝10時頃から夜10時頃までだが、会場が3つだけなのと、地下のスペースを使った無料コンサートや大規模展示会などは行われていないため、建物内の通路が薄暗いなどということもあって、コロナ以前のあの熱気に比べると、やはりちょっと寂しい感は抑えきれない。だがたとえ規模は小さくても、今は何よりもまず再開できたことを喜ぶのが先決であろう。

 今年のテーマは、再び「ベートーヴェン」だ。出演オーケストラは国内勢のみだが、ソリストにはアンヌ・ケフェレック、ジャン=クロード・ペヌティエ、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェなどの名前も見えた。家族連れで来て楽しむクラシックのイヴェントとしては、特に不足はないだろう。

 昔は私もプレス証を携えて国際フォーラムに入り浸り、プレス室で原稿を書いたり、顔見知りのアーティストやマネージャーや取材記者たちと愉快に会食したりしていたものだ(ナントのフォル・ジュルネ本拠地まで取材に行ったこともある)が、今はもうそのような体力もないし、出来る状況にもない。というわけで今回は、音楽祭も閉幕の時間に近い、風変わりな(?)コンサートを2つ、プレス記者として聴くだけにした。

 そのひとつが、この長い名前のコンサートである。「オルケスタ・ナッジ!ナッジ!」という打楽器アンサンブルの演奏だ。ボイスプレーヤーを含む11人のメンバーからなり、たっぷり45分間、打楽器群の強烈なリズムに浸る。
 「ベートーヴェンの名作交響曲たちのリズム」と題されているけれど、正直言って私には、この壮烈な演奏がベートーヴェンのどの部分と関連しているのか、全く見当がつかなかったことを告白しなければならない。ただ自分なりにこじつければ、ベートーヴェンの交響曲の度外れた熱狂と興奮の恍惚感、革命的な精神、西洋の伝統音楽の枠を飛び越えた国際性などといった要素が、現代の打楽器群の中に蘇った場合には、多分こういうものにもなるだろう━━ということだろうか。
 全曲の結びが、ベートーヴェンの音楽さながらの「終了和音が繰り返し叩きつけられる」形になっていたのが可笑しかった。

 だが、それよりも舌を巻いたのは、おそらくは即興演奏なのであろう個所での、メンバー間の演奏の俊敏正確な相互反応である。見事なものだった。

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