2024-03

2023・5・9(火)エッシェンバッハ指揮ベルリン・コンツェルトハウス管

     東京オペラシティ コンサートホール  7時

 ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団が4年ぶりに来日している。首席指揮者は2019年秋から在任しているクリストフ・エッシェンバッハだが、彼の任期は今シーズンまでで、今年秋にはヨアナ・マルヴィッツが就任するとのこと。

  今回の来日ツアーは5回公演で、今日はその初日である。プログラムはウェーバーの「魔弾の射手」序曲、ドヴォルジャークの「チェロ協奏曲」(ソリストは佐藤晴真)、ブラームスの「交響曲第2番」。佐藤のソロ・アンコールはカザルスの「鳥の歌」、オケのアンコールはブラームスの「ハンガリー舞曲第1番」。コンサートマスターは日下紗矢子。終演は9時半になった。

 実に久しぶりに聴くドイツの、それもベルリンのオーケストラ。「魔弾の射手」序曲冒頭の深々として力に満ちた低弦の響き、ホルン群の控えめだが豊潤な音色、弦のトレモロの宏大な空間的拡がりなど、この何年かのあいだ忘れていたドイツのオーケストラの良き伝統的な音色が鮮やかに立ち現れて来る。

 以前は日常的に聴ける機会もあったため、慣れっこになって特別な感銘を受けるほどでもなくなっていた各国のオーケストラの音色や個性が、しばらくの中断ののち接してみると、非常に新鮮な印象を与えてくれるのだ。やっとまたナマでいろいろな国のオーケストラを聴ける日が戻りつつあることを喜びたい。

 それにしてもこのベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団は、まだこういう音を失わずにいたのか。ブラームスのシンフォニーでのしっとりとして厚みのある、内声部をも豊かに響かせた陰影に富む響きなど、聴いていると陶然とさせられる。

 とりわけこのブラームスでは、エッシェンバッハの指揮が実に起伏豊かで、叙情的な第2楽章や第3楽章においてさえ、それらの頂点で烈しい興奮に高めて行くのには少々驚かされた。第4楽章でも終始猛烈なエネルギーで突進するので、これでは・・・・と危惧したのだが案の定、大詰めのクライマックスがさほど際立たなくなるという結果になった。しかし、さすがにいいブラームスを聴かせてもらった、という印象である。

 ドヴォルジャークの協奏曲では、佐藤晴真が豊潤な演奏を聴かせてくれた。とはいえベルリンのオケをバックに弾くと、やはり随分なだらかな音楽に聞こえてしまうのだが、この辺りが難しいところだろう。第3楽章中ほどの、ヴァイオリンのソロが独奏チェロと猛然張り合う個所では、日下紗矢子がチェロを圧倒するような演奏を聴かせていた。
 佐藤晴真が本領を示したのは、「鳥の歌」でのスケールの大きい、深みのある歌においてである。

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