2024-03

2023・5・11(木)エッシェンバッハ指揮ベルリン・コンツェルトハウス管

       サントリーホール  7時

 来日公演の3日目。ウェーバーの「魔弾の射手」序曲、シューマンの「ヴァイオリン協奏曲」(ソリストは五嶋みどり)、ブラームスの「交響曲第4番」。
 アンコール曲は五嶋みどりがバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番」の「フーガ」、オーケストラはブラームスの「ハンガリー舞曲」第1番と第5番。

 コンサートマスターは日下紗矢子。因みにこのオーケストラには第1コンツェルトマイスターが2人いるが、ひとりは彼女、もうひとりはSuyoen Kimという、いずれも東洋人女性がそのポストを占めているのが興味深い。
 そういえば、ブラームスの第4楽章で見事なソロを聴かせた首席フルートもYubeen Kimという人だった。メンバー表を見ると、その他弦にも何人か東洋系の人の名が見える。

 今日の圧巻は、やはりシューマンとブラームスだった。
 シューマンの協奏曲では、エッシェンバッハとコンツェルトハウス管が柔らかく静謐な音色でサポートするのと対照的に、五嶋みどりは全身全霊をこめた情熱的なソロで語る。精神的に引き裂かれているシューマンの人格の二つの面が交錯するさまを連想させられてしまうような演奏だ。この曲をこれだけ表情豊かに表現できるヴァイオリニストは古今それほど多くないと思われるが、五嶋みどりはその稀有なひとりではないだろうか、とさえ思う。
 それに彼女がアンコールで弾いたバッハがこれまた凄い起伏の演奏で、弱音から始まった音がみるみるその大きさと量感を増し、緊張感を高めて行くという凄さには驚かされた。

 「第4交響曲」は、予想通り、「良きドイツの」ブラームス。第2楽章第2主題での幅広い陰翳豊かな弦の音色など、北ドイツのオーケストラならではの素晴らしさではなかろうか。そして後半2楽章での、ここぞという時にぐんと力感を増し、音楽そのものが持つ説得力を更に強調する巧みさも同様だ。
 今回、横浜での「1番」と「3番」を聴けなかったのは残念だったが、エッシェンバッハとベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のブラームスの素晴らしさは充分理解できたと思っている。

 なお、「魔弾の射手」序曲では、コントラバスなどの低弦が響いて来ない所為もあって、妙に音が軽く硬く聞こえてしまい、一昨日オペラシティで聴いた時の感動がさっぱり蘇って来なかった。この音は、もしや席の位置(1階15列ほぼ中央)の関係かと思ったのだが、シューマンとブラームスでの響きの良さからすると、どうやら演奏そのものの所為だったようである。
 今夜も終演は9時半近く。

コメント

9日と11日聴きました
魔弾は11日の演奏のほうが圧倒的にアンサンブルがまとまっていて良い演奏に聴こえました。9日は時差ボケかと思うくらい各楽器の受け渡しや拍節がバラパラに聴こえたのですが席のせいかもしれません。席といえば五嶋みどりは音量がないのか、席によってはよく聴こえてこない感じで何を言いたいのか伝わってきませんでした。なんか目の前ですごいことをやってるらしいけど全然伝わってこないイライラを感じました。ルノーカプソンを同じ席で聴いたときはそんなこと全く思わなかったので奏法の違いなのでしょうね。

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