2024-03

2023・5・31(水)上岡敏之指揮読売日本交響楽団

       サントリーホール  7時

 シベリウスの交響詩「エン・サガ」で始まり、エリソ・ヴィルサラーゼをソリストに迎えたシューマンの「ピアノ協奏曲」へと続き、休憩後にはニールセンの「交響曲第5番」が演奏された。コンサートマスターは長原幸太。

 圧巻の演奏だったのは、やはりニールセンの「5番」であろう。日本のオーケストラが、これほど強烈なデュナミークと、アクセントと、凶暴なほどの力を以ってこの曲を演奏したのを、私は初めて聴いた。この交響曲は、そもそもそうした演奏で再現されないと、本来の凄味が発揮されないのだ。
 近づいては遠ざかり、また襲いかかって来る小太鼓のリズムと低弦のピッチカートの不気味な行進、木管群の怪奇な揺れ、突然爆発するティンパニの衝撃など、強弱の変動対比が存分に再現された今回の演奏は、極めてスリリングで、作品本来が持つ恐ろしさを堪能させてくれた。

 ヴィルサラーゼは、彼女を聴きはじめてからもう40年近くになるかと思うが、今なお素晴らしいピアニストだ。年齢を加えるに従い、陰翳の濃さを増した。シューマンのこの協奏曲が、これほど美しい翳りを帯びて聞こえたことがあっただろうか? 
 私はオーケストラの演奏会でゲスト・ソリストがソロ・アンコールを弾くのはあまり感心しないタチなのだが(ゲストでありながら2曲も弾く人がいるが、言語道断である)、彼女のようなピアニストなら、せめて1曲くらいは聴きたかったな、と思ったほどだ。

 「エン・サガ」は、欲を言えばもう少し「影」が欲しかったところ。

 ともあれ今回は、上岡敏之の良さが充分に発揮された演奏であったろう。彼の個性に合うオーケストラは日本にはそう多くはないと思われるが、その中で当面はやはり、演奏水準の高さという点でも、読響が彼の音楽に対し最も的確な反応のできる楽団であることは間違いない。今日のニールセンは、その好例である。

コメント

この夜、金子さんのクラリネットが素晴らしかった。エンサガ、シューマンのソロ、ニールセンの1楽章の終わりの長いソロと、2楽章の速いパッセージ(この部分は羽賀さんと一緒)。読響首席就任直後のニールセン・クラリネット協奏曲の名演を思い出しました。

ごめんなさい。先日、芳賀さん(正)を羽賀さん(誤)と書いていました。訂正します。

この夜、金子さんのクラリネットが素晴らしかった。エンサガ、シューマンのソロ、ニールセンの1楽章の終わりの長いソロと、2楽章の速いパッセージ(この部分は芳賀さんと一緒)。読響首席就任直後のニールセン・クラリネット協奏曲の名演を思い出しました。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中