2024-02

2023・6・17(土)高関健指揮仙台フィルハーモニー管弦楽団

     日立システムズホール仙台・コンサートホール  3時

 飯守泰次郎の後任としてこの4月から常任指揮者となった高関健の、就任後初の定期。
 かつてこのオケの音楽総監督でもあった芥川也寸志の「弦楽のための三楽章」を冒頭に置き、次に昨年の仙台国際音楽コンクールで優勝した中国出身のルゥォ・ジャチンをソリストにサン=サーンスの「ピアノ協奏曲第2番」を演奏、最後を高関自身が最新の校訂譜作成にも参画したというマーラーの「交響曲第4番」(ソプラノのソロは中江早希)で締めるという、なかなか意義深いプログラムであった。コンサートマスターは西本幸弘。

 今回のマエストロ高関の基本的な姿勢は、強靭で明晰な音楽をつくるということにあったように感じられた━━少なくとも実際の演奏からは、そのように聞き取れた。
 芥川の作品でも、またマーラーの交響曲においても、演奏は全て豪快な力強さにあふれ、デュナミークの鋭いコントラストで構築され、あらゆる音符が明快な光により照らされる、といった感だろうか。

 特にマーラーでは、フルートやクラリネットなどの木管がスコアの指定通りに突然の最強奏で飛び込んで来るし、シンバルとティンパニは耳を劈くばかりに轟くといった具合で、それらは衝撃的な効果を与える。私の体験では、「4番」をこれほど尖った「4番」で聴いたのは初めてである。美しい部分は随所にあるにせよ、全体としては決して夢幻的ではない。

 となると、第4楽章における「天国的な快さ」をどう解釈したらいいのか、些か戸惑った次第だが━━ともあれ最近の高関の「芸風」を窺う意味で、この演奏は極めて興味深いものがあった。仙台フィルも、これまで飯守やパスカル・ヴェロの指揮で聴いていた時とは全く異なる様相で立ち現れていたので、今後のこのオケの展開を覗う意味でもいっそう興味深い。

 サン=サーンスの「第2協奏曲」も、もともと管弦楽パートに豪壮さが備わっている作品だけに、高関と仙台フィルのこのような演奏により、その特徴が十全に再現される。一方、長身痩躯で飄々たる雰囲気の青年ルゥォ・ジャチンは、流石にその勢いには吞み込まれなかったようだが、それでも彼なりの中庸を得た強靱さで、やや翳りのある音色を保ちつつ、確信に満ちたソロで応酬して行った。このピアニスト、楽しみである。彼のソロ・アンコールは、シューマンの「予言の鳥」。

コメント

高関マエストロへの期待

三年前、コロナ禍で4ヶ月イベントがストップした後に聞いた最初のコンサートが高関さん指揮の仙台フィル定期、皇帝(ソリストは津田さん)と新世界でした。あんなに嬉しく、涙腺が弛みっぱなしだったコンサートは近年ありませんでした。高関さんは実質的に数年前から仙台フィルのシェフを担っているようなもの。昔から良くも悪くも奇をてらわず、ひたすら真面目に愚直に勉強する指揮者ですが、この真面目さが仙台で大化けすれば面白いですね。

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