2024-02

2023・6・24(土)沼尻竜典指揮神奈川フィル「サロメ」

       横浜みなとみらいホール大ホール  5時

 音楽監督・沼尻竜典の指揮で、R・シュトラウスの「サロメ」のセミステージ形式上演。

 サロメを田崎尚美、ヨカナーンを大沼徹、ヘロデを高橋淳(福井敬の代役)、ヘロディアスを谷口睦美、ナラボートを清水徹太郎、小姓を山下裕賀、ユダヤ人を小堀勇介・新海康仁・山本康寛・澤武紀行・加藤宏隆、ナザレ人を大山大輔・大川信之、兵士を大塚博章・斉木健詞、奴隷を松下美奈子━━という配役。神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターは石田㤗尚。

 沼尻竜典が指揮する「サロメ」は、びわ湖ホールでの上演(☞2008年10月12日)以来、15年ぶりに聴くものだ(因みに、あの時のカロリーネ・グルーバーの演出は奇抜にして秀抜、今なお記憶に残る)。
 あれ以降、オペラ指揮にキャリアを積んだ沼尻の指揮は、既にスケール感と深みを増しており、今日も神奈川フィルから色彩的な劇的昂揚感を存分に引き出して、スリルに富んだ「サロメ」を聴かせてくれた。

 ラストシーンでの、生首を抱いたサロメの長い法悦のモノローグにおけるオーケストラの官能的な音色はすこぶる見事だったし、フル編成の大管弦楽を残響豊かなホールの中に豊麗に拡がらせた演奏も、壮快な趣があった。神奈川フィルがこのような壮大優麗な音を楽々と出すようになっていたのも嬉しい。

 ステージ前面で歌った歌手陣の声は、最初のうちはオーケストラに埋もれがちで、もどかしさを感じさせたが、間もなくバランスが保たれるようになった。預言者ヨカナーンをオルガン席の下に位置させ、「古井戸の中から響く」設定の声をエコー付きのPAを加えて響かせたのはいいアイディアであろう。

 田崎尚美もいつながらの優れた歌唱で、今回は豊麗な「女っぽい」サロメに感じられたが、最後のモノローグも見事だった。急病の福井敬の代役を務めた高橋淳は譜面を見ながらの歌唱だったが、この人はもともとこういうヘロデ王のような役が実に巧い歌手なのである。谷口睦美が歌うヘロディアスが、すこぶる気品のある王妃という表現だったのにも感心。

 沼尻竜典とこの歌手チームによる「サロメ」は、このあと九州交響楽団と京都市交響楽団それぞれとの協演でも上演される。

コメント

代役

来月、京都で聴く予定です。こちらでも高橋淳さんが歌うのだとすると、福井さんには申し訳ないですが、それは歓迎すべきことかと思ってしまいます。

本役

高橋淳さん、キャラが立っていて素晴らしいヘロデでした。
ただ、福井さんのヘロデを聴けなかったことは大変残念なので、休みを取って7月27日の福岡・九響定期に遠征を計画中です。
デュトワ指揮の大阪フィル定期からはや4年。福井ヘロデがどう進化しているか楽しみです。




セミステージ形式大歓迎

当初の予定がなくなりこれ幸いと出かけた。
私の席からわかったVa10人、Vc8人、Cb6人は作曲家指定に近いもの。
エレクトラもそうだが、R・シュトラウスの指定した編成は日本のオケピットには絶対入り切らないのではないか?(ゼンパーオパー再建の時はエレクトラのオケが入るように客席を減らしてオケピットを拡大できるように施工したと読んだような)
よってセミステージ形式は大歓迎である。
歌手、オケともに熱演で楽しめた。七つのヴェールの踊りでは歌手が去り、オケにライトが当たって「オケが主役」と明示してくれたのはなるほどと思った。
強いて言えば危険なオペラ「サロメ」ではソロパートがもう少し切れていてくれれば・・・

京都では

祇園祭で大混雑の京都、こちらでは予定どおり福井さんが舞台に立ちました。ここ何年か、福井さんの歌を聴いては酷評ばかりしている私は、内心高橋さんを期待していたのですが、申し訳ない、福井さんがとてもよかったのです。この役柄、この歌い方、ヘロデ王にはぴったり。短いフレーズの連続で、強く投げつけるように歌う、長いモノローグやアリアだと聴くに堪えないフレージングがこの役では欠陥になりません。填まり役かも知れません。

京都の福井敬さん

 京都の演奏を聴きました。演奏会方式になると楽器の演奏の美しさを感じますね。バイオリン、ビオラ、コントラバスなどのトップのソロが美しかったです。一番前の席だったので、登場される歌手の歩いておられるのもよく見えました。福井さんが出てこられたときは、威厳のある雰囲気が立ち込めており、すでにヘロデになっておられるように感じました。最後の、”ein Ungeheuer(化け物)””Man toeot dieses Weib!(あの女を殺せ)”は、迫力がありししばらく、ぼっーとしました。

福岡公演

 7月27日(木)19時からの福岡公演。奴隷が渡辺玲美以外福井敬含み東京公演と同じ。当地では20分前より沼尻のプレトークがあり、「ユダヤ人に青、ナザレ人に黄、兵士に薄茶のスカーフを着せわかりやすくした。」(これはいいアイデアでした。)「7つのベールの踊りで、『加藤茶(の音楽)のように演奏して』と言っても、皆ぽかーんとしていた。」等痛快。
 14型のフル編成。ジャスト100分間、ほぼ完璧。九響もここまで来たかと感慨深いものでした。

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