2024-03

2023・6・25(日)シャルル・デュトワ指揮新日本フィル

      サントリーホール  2時

 デュトワ得意のフランスものとロシアものによるプログラムで、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲(1919年版)、ベルリオーズの「幻想交響曲」。

 新日本フィルハーモニー交響楽団(コンサートマスターは崔文洙)がこれだけブリリアントな音を出したのを久しぶりに聴いたような気がする。ドビュッシーでの馥郁たる世界から転じて、ストラヴィンスキーとベルリオーズでの華麗な昂揚にあふれた演奏は━━細かいところは別として━━目覚ましいものがあった。

 デュトワは暗譜の指揮で、椅子も使わず、大きな身振りで全曲をエネルギッシュに振り通す。「幻想交響曲」など、かなり遅いテンポを採ったため、演奏時間も56分ほどに及んだが、その間、彼の指揮姿から全く活力が失われないのには感服した。
 その姿勢も、歩き方も、カーテンコールにおける挙止も、壮年の人と少しも変わらぬ。これが87歳になる人とはだれも想像しないだろう。しかもその音楽が全く「枯れ」を感じさせないのが立派である。また来て下さい。

 プログラム冊子に掲載されているデュトワのプロフィールは招聘事務所によるものらしいが、新日本フィルはもう少し自分のオーケストラと関連づけた紹介の仕方にすればいいのにと思う。
 私の記憶によれば、デュトワが新日本フィルに客演したのは、まだ彼が日本初登場から数年しか経っていない、1974年3月のことだった。確か、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」や、内田光子をソリストにシューマンの「ピアノ協奏曲」などを指揮したはずである。

 私はその演奏会を収録してFM東京の番組で放送したので、とりわけ印象に残っているのだが、━━ちょうどあの時だった、彼とその夫人マルタ・アルゲリッチが日本で大喧嘩して、彼女が一方的に欧州へ帰ってしまったのは。
 ひとり残されたデュトワには、新日本フィルの女性楽員たちから「可哀そう、かわいそう」という同情の声が集まり、演奏がひときわ盛り上がったものである。あれ以降、デュトワが新日本フィルに客演したことは、あったのだっけ?

コメント

デュトワ様々

デュトワが、ステージに現れた時にビックリしました「若い!」。背筋がピンとして、相変わらずの颯爽たる指揮ぶり。これが、今年87歳を迎える老人とは、とても思えませんでした。彼が紡ぎ出す音楽の自在さと繰り出される音の魔術には、驚かせられっぱなし・酔わされっぱなしでした。彼の得意プログラムを聴けるのも、今年が最後のチャンスと思い、ミンコフスキのブルックナーの5番を諦めたのですが、、、何と!そのデュトワが、来年もまた訪日予定との事。今度はどんな曲をどの様に聴かせてくれるのでしょう。何かと、、の新日フィル。彼の指揮とホールに助けられたのでしょうか?我々聴衆にとっても、オケにとっても幸せな一時だったと思います。

デュトワの音作り

22日にリハーサルを聞きました。
コンマス3人、アシスタントコンマスと1stは総出、Vaも首席2人とも乗るなど力が入っているなとメンバ表を見て思いました。
デュトワは1stを中心に弦に細かい表情を要求、繰り返し練習させ、音色、表情がどんどん変わっていきました。
通常のリハーサルではプログラム後半の一応全曲を聞かせてくれることが多いのですが、デュトワはマイペースで幻想の1-3楽章のみでした。それも1楽章を細かく。
デュトワの音作りがとても興味深かったです。
完売とのことで本番は諦めました。

大阪のデュトワ

6/16日のデュトワ/大フィルの演奏があまりにも素晴らしかったので演奏された曲の「ナイチンゲールの歌」を探して見た。
ほとんどのN響の演奏会の録画を録っているがなまでデュトワの指揮を見たのは今回が初めてだった。怪我の功名というべきか東京では当たり前だった彼の指揮ぶりを大阪でみれたのだ。
その後ショスタコ8番、ドビッシー海。2022年の齊藤記念オケとのドビッシー映像と春の祭典の録画をみる。切れ味がいい。オーケストラの音とは作曲家の作った音を限りなく再現することだとストイックに彼は述べている。

牧神の午後

嘗てジャン・フルネが、同曲で、N響のフルーティストに対して「最初は口を酸っぱくして言わなければならなかったが、二度目に来た時は、前の指示を全て覚えていてスムーズに行った。」と、どこかに書かれていたのを思い出したが、今回の新日本フィルのソロフルート野津雄太の名演は、そういったある種の特訓があったのか。しかしこのソロは、このコンサートを決めた。

素晴らしい名演だった幻想Sym

6/24すみだトリフォニー、6/25サントリーH の両日のコンサートを聴きましたが6/24すみだトリフォニーでのコンサートの方が出来が良かったと思います。
集中力と完成度のいずれも前日6/24の方が優れていました。
6/25サントリーHでの演奏は(特に前半)オケに前日の疲れが散見され、ドビュッシー「牧神」ではオーボエのミスが連続し興を削がれてしまいました。
デュトワの指揮についていくだけで相当なエネルギーが必要なんだろうなと思った次第です。
後半の幻想Symは新日本フィルのアンサンブルも持ち直して、最終的には前日には及ばなかったものの他には替えがたい素晴らしい名演になったと思います。
東条さんは幻想Symは56分かかったと書いておられますが、聴いていてそんなに遅いテンポにはまったく聴こえなかったです。
何よりも音楽の流れがよく、表情が活き活きとしていて、以前よりも解釈が深くなってえぐりの深い演奏になっていたので、聴いていて魅了され通しでした。
デュトワの幻想Symは1992年モントリオールSO来日公演での名演やN響との何度かの演奏、はたまた2019年の大阪フィルとの名演など何度も聴いていますが、解釈としては今回の演奏が特に印象に残る格別素晴らしい名演でした。
デュトワは今はもう特別の領域に達した指揮者だと思います。
今のデュトワは必聴の大指揮者だと思います。
来年も来日するようなので必ず聴きに行きたいと思っています。

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