2024-03

2023・9・1(金)山田和樹指揮日本フィルハーモニー交響楽団

      サントリーホール  7時

 山田和樹は、10年間ほど務めた日本フィルの正指揮者のポストからは既に離れているが、日本フィルは今でも秋のシーズン開幕定期を彼の指揮に委ねている。

 今回の定期は彼らしくユニークなもので、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、J・S・バッハの「シャコンヌ」(齋藤秀雄編曲)、ウォルトンの「戴冠式行進曲《宝玉と勺杖》」、同「交響曲第2番」というプログラムが組まれていた。
 彼のプレトーク(相変わらず面白い)によれば、「楽しさ」と「シリアス」が交互に出て来る流れになっている由。

 日本フィルの定期の通例として、初日の演奏は多少ガサガサしているものだが、それでも沸き立つような活気にあふれた演奏だったことは間違いないだろう。

 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」をオーケストラの定期でやるという例は、あまりない(とマエストロ・ヤマカズもプレトークで語っていた)。しかも今回は16型編成で演奏されたのだから、結構な迫力である。スピーディで勢いも良く、物々しい「アイネ・クライネ」にならずに済んだ。
 続く「シャコンヌ」のアプローチも面白い。通常は「マエストーゾ」(荘厳に)というイメージで演奏されることが多いが、今回はクレッシェンドも凄まじく、すこぶる劇的に、悲愴な情熱の爆発といった雰囲気で再現されていた。

 後半はウォルトンの作品2曲。「戴冠式行進曲」は私にとってはあまり面白い曲には感じられないけれども、山田和樹の指揮は「行進曲」というよりは「舞曲」といったような感の、飛び跳ねるようなイメージになっていたのが興味深かった。

 「第2交響曲」は、今夜の白眉であったろう。特に第2楽章の神秘的な曲想━━低音のリズムが遠くから忍び寄って来るあたりの幻想的な雰囲気は私の好きなところ。総じて、山田和樹の快活で弾力的な躍動に満ちた音楽づくりが素晴らしく、昨年9月定期での「第1交響曲」に続き、ウォルトンの音楽の良さを印象づけてくれた演奏であった。
 コンサートマスターは扇谷泰朋。

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