2024-03

2009・3・23(月)エリアフ・インバル指揮 東京都交響楽団定期

   サントリーホール

 2008~2009年シーズンを締め括る定期でありながら、何かすでに新シーズン開幕の演奏会という雰囲気を感じさせる会場の盛り上がりである。それはひとえに、プリンシパル・コンダクターのエリアフ・インバルが登場したことによるだろう。
 盛り上がるということは、見方を変えれば、彼の登場が久しぶりだったからである。そもそも常任ともいうべき指揮者が1シーズンに2~3回の来日(演奏会は各3~4回)では少々寂しいし、それだけでは彼の個性がオーケストラに植えつけられるには不足だ。このあたり、何とか改善されるといいのだが。

 そのインバルが指揮したのは、ラヴェルの作品2曲。前半は横山幸雄をソリストにラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」、後半に「ダフニスとクロエ」全曲。

 実にいい演奏だった。
 特に後者において、都響の弦(コンサートマスターは矢部達哉)がこれほど色彩的に輝いたことは、これまでにもそう度々はなかったであろう。とりわけ弱音で波打つ時の音のふくらみは、官能的なほどの美しさにあふれていた。
 音楽として流れのよい後半(第2組曲に相当する個所)では、木管のソロを含めた全管弦楽がしなやかに息づく。とかく散漫になりかねない前半の部分でも、オーケストラの色合いが目まぐるしく多彩に変化して行くので、カラフルな絵巻物を見ているような感覚にさえなって来るのだ。
 こういう演奏を聴くと、インバルにはさらに数多く指揮してもらいたいなと、心から願いたくなる。

 ただし水を差すようだが、コーラス――晋友会合唱団は、どうも粗く、感心しない。この幻想的な性格を持つ作品で、生身の人間くさい声の荒れが随所に出て来てはぶち壊しもいいところ。この合唱団、かつての栄光今いずこ。

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