2023-12

2023・10・21(土)尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団

       フェスティバルホール  3時

 10月定期公演で、音楽監督・尾高忠明が指揮、モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番」(ソリストは岡本誠司)と、ウォルトンの「交響曲第1番」を演奏した。コンサートマスターは崔文洙。

 比較的小さな編成で演奏されたモーツァルトのコンチェルトでの、オーケストラの音色の軽やかで清楚なこと。昔の大フィル━━いまだにあの朝比奈隆さんの時代と比較されて云々されるのがこのオケの宿命だろう━━とは全く違う音を響かせるようになったこのオケのカラーを如実に示す例だ。岡本誠司の、光にあふれた闊達なモーツァルトとは対照的ながら、いい対話を繰り広げている。
 その岡本はアンコールで、モーツァルトの「トルコ行進曲」の賑やかなヴァイオリン編曲版を弾いてくれた。

 後半は、ウォルトンの「第1交響曲」。16型編成の大阪フィルが、怒号咆哮するその凄まじさ。このあたりは往年の大フィルを彷彿とさせる力感だろう。
 下手側の高所のバルコニー席で聴くと、金管群と打楽器群がひときわ強く響いて来るように感じられるが、とにかくこの「1番」は、極端に言えば最初から最後までフォルティッシモが続くといったような曲だから、ひたすらその轟音に精神を委ねるほかない。

 制御の巧みさでは定評のある尾高忠明の指揮だし、彼の十八番のレパートリーでもあるので、怒号も咆哮も、割れんばかりの大音響も、全て緻密に設計された演奏のはずである。
 それにしても面白い曲だ。もともと今回の大阪行きの目的のひとつは、これを聴くことにあったのだから。

 新大阪18時始発の「のぞみ」で帰京。

コメント

ウオルトン1番

ウォルトンの1番はオーケストラにとっつて難しい曲のようであまり演奏されないのはそのことが原因と尾高さんは語られていた。N響との1番の時だったか。
佐渡氏がトリノのオペラのオケとやった番組では演奏会直前までリハーサルをやって何度か本番にまにあわせていた。N響との番組ではそこまで咆哮はしていなかったように思えた。私もこの曲好きで今回行きたかったが先立つものがなく来年のセンチュリー響定期を聞くことにします。

確か1999年の1月だったと思うのですが(間違っていたらすみません)、大阪に行った時にたまたま聞いたコンサートが尾高さん指揮の大フィル定期、ウォルトンの第一交響曲でした。関西で聞いた初めてのコンサートで、朝比奈さん以外の大フィルそのものが物凄く新鮮でしたが、時代は大きく変わりましたね。

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