2023・10・23(月)レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル
東京オペラシティ コンサートホール 7時
久しぶりに聴くアンスネスのソロ・リサイタル。
今日は、シューベルトの「ソナタ第14番」、ドヴォルジャークの「詩的な音画Op.85」から5曲、ベートーヴェンの「悲愴ソナタ」、ブラームスの「7つの幻想曲Op.116」というプログラムが組まれた。
ソナタ形式のように流れの良い4つの作品の配列にまず感心させられたが、それら各々に当てられたアンスネスの表現の多彩さの、なんとまあ見事なこと。
冒頭のシューベルトのソナタがやや暗い、たっぷりした陰翳のもとに弾かれて行ったのを聴くと、アンスネスのこの数年来の特徴ある音色がますます個性を発揮して来たな、という思いを強くする。だが、そういう音色が引き継がれたドヴォルジャークの「詩的な音画」には、何という色っぽさがあふれていたことか。
そして更に感動させられたのは、「悲愴ソナタ」での表現の細やかさだ。短いフレーズや音型が反復されつつたたみかけるようにクレッシェンドし昂揚して行く個所では、そのひとつひとつに異なる表情が籠められていて、その反復が音楽の展開として明確な意味を感じさせるように演奏されて行くのである。アンスネスも凄いピアニストになったものだ、と思う。
この演奏にあまりに聴き惚れてしまったために、最後のブラームスの印象がどこかに飛んでしまったのだが‥‥。
アンコールはドヴォルジャークの「詩的な音画」から、先ほど演奏されなかった「春の歌」、ショパンの「マズルカOp.33-2」と「マズルカOp.17-4」が演奏された。このショパンも、いかにもアンスネスらしく、陰翳が濃い。
久しぶりに聴くアンスネスのソロ・リサイタル。
今日は、シューベルトの「ソナタ第14番」、ドヴォルジャークの「詩的な音画Op.85」から5曲、ベートーヴェンの「悲愴ソナタ」、ブラームスの「7つの幻想曲Op.116」というプログラムが組まれた。
ソナタ形式のように流れの良い4つの作品の配列にまず感心させられたが、それら各々に当てられたアンスネスの表現の多彩さの、なんとまあ見事なこと。
冒頭のシューベルトのソナタがやや暗い、たっぷりした陰翳のもとに弾かれて行ったのを聴くと、アンスネスのこの数年来の特徴ある音色がますます個性を発揮して来たな、という思いを強くする。だが、そういう音色が引き継がれたドヴォルジャークの「詩的な音画」には、何という色っぽさがあふれていたことか。
そして更に感動させられたのは、「悲愴ソナタ」での表現の細やかさだ。短いフレーズや音型が反復されつつたたみかけるようにクレッシェンドし昂揚して行く個所では、そのひとつひとつに異なる表情が籠められていて、その反復が音楽の展開として明確な意味を感じさせるように演奏されて行くのである。アンスネスも凄いピアニストになったものだ、と思う。
この演奏にあまりに聴き惚れてしまったために、最後のブラームスの印象がどこかに飛んでしまったのだが‥‥。
アンコールはドヴォルジャークの「詩的な音画」から、先ほど演奏されなかった「春の歌」、ショパンの「マズルカOp.33-2」と「マズルカOp.17-4」が演奏された。このショパンも、いかにもアンスネスらしく、陰翳が濃い。
コメント
私も所沢で同じプログラム聞きました。先生と全く同じ感想持ちました。アンスネス、端正な中にも、音色の幅が広く、本当にすごいピアニストだと思います。今後も先生の日記にしております。僭越ですが、ご自愛くださいますよう。
曲目 シューベルト第14番イ短調Ⅾ784
ドヴォルザーク:詩的な音画から5曲
ベートーベン「悲愴」ソナタ ブラームス:7つの幻想曲op116
先月のプレトニョフにがっがりさせられたが今回はそんなことを吹き飛ばす快演でした。
悲愴以外渋い曲だがドヴォルザークの詩的な音画について彼は「19世紀ピアノ音楽の中で忘れ去られた大作であると語っている。曲は1曲目から犬がたわむれるような楽想から始まるが引き締まった構成を持っ曲でありアンスネスのピアニズム冴える。フォルティシモからピアニッシモの切り替えの見事なこと。アンコールは3曲。ドヴォルザークの曲の第6曲「春の風」
ショパンマズルカOP33ー2、17-4,17-4は場内をシーンとさせる名演で言葉を失う。