2024-03

2023・11・22(水)ネルソンス指揮ゲヴァントハウス管弦楽団

        サントリーホール  7時

 ドイツの名門の大オーケストラを2つ続けて聴けるなど、普通ならヨーロッパのどこかの音楽祭でなければ不可能なことだろう。
 アンドリス・ネルソンスがカペルマイスターを務めるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、これもベルリン・フィルに負けず劣らず、強靭で雄大で、しかも壮烈な演奏を聴かせてくれた。

 今日のプログラムはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「前奏曲と愛の死」、ブルックナーの「交響曲第9番」(ノーヴァク版)の2曲。因みに、今回の来日公演は東京で2回、札幌で1回の計3回のみだった。

 前回来日した時に演奏したブルックナーの「第5交響曲」(☞2019年5月30日)が、意外なことに金管群の咆哮を抑え気味にし、たっぷりとした弦楽器群の響きを前面に押し出したものだったので、もしや「9番」でもその手法を使うのかなとも思ったのだが、幸いにも(?)今回は管も弦も豪壮に響かせる、すこぶるスリリングな演奏になっていた。

 ただ、その豪壮な響きは、ちょっと度を越しているのではと思われるくらい、むしろ凶暴に近い域にまではみ出していたのではないだろうか? 
 第1楽章や第2楽章は、ブルックナーにしては珍しい、烈しい感情を爆発させる悪魔的な世界という性格の濃い音楽だから、そういう荒々しさは当然あってもいいと思うのだが、今日の演奏はアンサンブルを含めて、どうも激烈に過ぎていたような気もする。

 もっとも、以前出た彼らのCD(グラモフォンUCCG-1843~4)でもこれに近い演奏をしていたから、これがネルソンスの考える「9番」のイメージなのだろう。いずれにせよこの演奏で聴くゲヴァントハウス管弦楽団からは、もはやかつての「古都の雰囲気を伝える」ような陰翳の濃い音色は、聞かれたとしてもかなり微量なものになっているようである。

 「トリスタンとイゾルデ」の「前奏曲と愛の死」も、どちらかと言えば骨太で、ごつごつした音楽構築に感じられた。ただ正直なところ、今日は客席がやや騒々しく、私自身は気が散ってこの演奏にあまり深くのめりこめなかったので、あまり具体的なことは言えないのだが。

コメント

トリスタンからの前奏曲と愛の死、ネルソンスの棒が振り下ろす直前から騒がしかったですね。『ヴォーッ…、』という唸り声がホールに響き「何事か?」と思い、ネルソンスは「一旦仕切り直すのか」と思ったほど。否、仕切り直して欲しかった。1階下手側のレセプショニストも身を乗り出していて、声の方を探っていたように見えた。
休憩中主催者側に「客席内かホール外からか分からないが」と前置して何事だったのか尋ねたが、『その様な声、騒ぎは確認してません。何も聞こえませんでしたよ』と、まさかの回答。更に『ホール内は二重扉なので、外部からの音は入りません』と。

レセプショニストに確認したところ、2階LDブロックで体調の悪い女性客から発せられた声とのこと。開演前から大丈夫かどうか確認していたとのこと。

体調が悪くなることは誰にでも起こり得ることではあるが、今回、開演前から周囲から心配される程の体調であった様で、それならばもっと自身で体調を管理するべきではないのか?

また『二重扉』にしても、大きな音は客席内からでも聴き取れる。
2023/9の在京オケ定期で、演奏中具合の悪くなった方が運び出され、その後救急車のサイレンが客席内からでも確認出来た。

今回、あまりにも「ゾッ!」とする声だったので落ち着かなかった(というか気持ちが悪かった)。

主催者の『何も聞こえない、何事もない』といった返答には疑問を持った。

随分久しぶりのコメントになります。九州大分から31年ぶり2度目のサントリーホール。ただそれだけで、私のテンションは銀座線乗車中から早くも最高潮に達しており、演奏の良し悪しや特徴は二の次の次の次くらいでした。この時期の多くの来日オケの中からこの日を選んだのは、チケットの価格もありますがまず第一にブルックナーでした。
とは言え、朝比奈やヴァントやマタチッチやヨッフムなど私が好む演奏と比べると、ネルソンスの演奏はやや作り込み過ぎてるかもな、と思うところもありましたが。しかし、地方在住で普段から生演奏の機会は限られ、しかもこの日はこのホールとなると、その辺りもどうでも良くなります。ところどころ拳に力を入れて、涙堪えたりしながら堪能しました。あのような熱狂的なカーテンコールも含めて、地方では味わえない興奮と陶酔の時間でした。
ただ、事もあろうに体調がイマイチで、私は演奏中に二度咳をしてしまいました。東条先生の仰る「騒々しさ」の中に含まれていたかも知れません。次回は必ず体調万全で臨みます。

観客との 解離さ

21日メンデルスゾーンに行きました。
アンコールのスコットランド 2楽章が白眉。
音符の躍動感、楽器群のハーモニーに、オーケストラを聴く喜びで、心が奪われました。最低限、スコットランドから、願わくは、ポンコツの序曲からだったらと、悔やまれます。

コロナと言うわけではなく、観客雰囲気で、演奏会離れをしていましが、4年振りで海外主力オーケスト公演が11月に固まり、ベルリン・ウィーンは、最初から抜き、コンセルトヘボウ、ゲバントハウスは欠かしたことがないので、チェコフィルも含めて出かける事にしました。

今の指揮者は、やたらと音が大きいだけ。
その最たる爆音のネルソンが、ゲバントハウス。メンデルスゾーンだったら何とかなるかな、と思っての日にち選択でした。オケのアンコールは、
プロムスの最終日か?と思わせるネルソン長スピーチの後仕事。

知らないピアニストは何となく出てきて、飽きるほど長いアコールを弾いて、『キャー』と言われて、写真パチパチ撮られて下がりました。

終演後サイン会があると、場内アナウンスに、なるほど、本日はファン感謝ディーだったようです。

観客が変わってしまって、自分の気持ちとの解離さが、足を遠のかしている起因となっていますが、もう、完全に、家で古レコードを出して、昔を懐かしむ事になるのだと、万雷拍手の中、ホールを去りました。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中