2024-02

2009・7・10(金)
クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィルハーモニー交響楽団
フランツ・シュミット オラトリオ「7つの封印を有する書」

   すみだトリフォニーホール

 こんな滅多に上演されない大作を、経営的に苦しい自主運営オーケストラが、よくまあ取り上げたものだ。しかも、すばらしい演奏だった。

 近代作品を指揮するアルミンクはさすがに鮮やかだし、新日本フィルも弦、管ともに絶好調と思われる。「第2の封印」での反復されるリズムの緊迫感、終結近くの「ハレルヤ」で曲想を煽り立てる弦の上昇句の力感、いずれも見事である。

 増田のり子、加納悦子、吉田浩之ら日本人ソリストも健闘したが、何といってもクルト・リドルの重厚な迫力と、そしてとりわけヘルベルト・リッペルトの巧味のあるヨハネ役が卓越していた。この2人に比肩するだけの人は、今日なかなか得られないだろう。栗友会合唱団の劇的な表現力も、予想をはるかに超えるものだった。

 作品の題材は「ヨハネの黙示録」である。筋書は甚だ不条理なものだ。思想的に共感できない内容を持った作品の場合、それを切り離して、音楽の力だけで最後の{ハレルヤ」で精神的な昂揚感を共にすることができるかどうか、――これはなかなか複雑な問題である。宗教の違いを超えて聴き手の心に訴える力を持つバッハの受難曲のような内容とは、そこが大きく違う。
 演奏時間は正味2時間。7時20分開演で、休憩1回を含め9時40分終演。

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土曜日の公演では

はじめまして。何時も楽しく拝読させていただいております。
「7つの封印の書」私は2日目に行きました。既にお聞き及びかもしれませんが、この日は凄い事が起きました。演奏が終わり、指揮者が腕を下ろして、オケのメンバーが楽器を下ろしてもまだ会場がシーンと静まり帰ったまま、しばらく、だれも拍手を始めませんでした。作為的に指揮者が、いつまでも指揮棒を上げたままのため、拍手が起こらないという場に居合わせた事はありますが、オケのメンバーまでが楽器を下ろしても静寂に包まれる経験ははじめてでした。鳥肌ものでした。
ハレルヤコーラスの後で拍手する人が出ないかなどと心配していた自分が恥ずかしい気がしました。
空席は目立ちましたが、本当に聴きたい人が集まっていたからかもしれません。
以上、余計なお知らせでした。

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