2024-03

2010・1・29(金)ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」(第3日)
ジャン=マルク・ルイサダのリサイタル

   サル・グルジマーラ(グジマワ) (17時00分~18時10分)

 17時15分からの「作品全集年代記第5回」を聴くつもりでいたが、タイムテーブルをめくっていたら、17時から他のホールでジャン=マルク・ルイサダが「ノクターン選集」を弾くというのを発見。たまには個人リサイタルを聴くのもよかろうと聴きに行く。  
 座れたのは最後部の記者席で、アコースティックの関係でピアノは遠く聞こえたけれども、ルイサダのピアノの雄弁さは、やはりずば抜けていた。

 プログラムは「作品9」の3曲、「作品27」の2曲、それに「作品62の1」と作品48の1」。
 ついさっき、ケフェレックやヌーブルジェやエル=バシャが弾いた作品9の「ノクターン」とは、何という違いであろう。和声が――殊更に強調されているわけでもないのに――はっきりと浮き彫りにされ、したがって曲がとめどなく転調して行く模様が明確に聴かれ、しかもそれが鮮やかな色合いを以て変化して行くのである。演奏が始まった途端に「ああ、こういうショパンもまだあった!」という想いがこみ上げてきて、体全体が温まるような感動が沸き起こって来る。
 さっきの演奏と比べると、ここではショパンの作品そのものが、完全に変貌してしまったかのようだ。
 ヌーブルジェが如何にいいセンスを持っていようと、ルイサダのこの感情の豊かさに比べれば、まだまだ子供のようなものである。

 こういう、作品の描き出し方の違いを、ほんの数時間の差の中で聞き比べる事が出来るのが「ラ・フォル・ジュルネ」のいいところであろう。
 ルイサダは、そのあとにアンコールとして、ショパンの「スケルツォ第1番」と、シューマンの「楽しき農夫」を弾く。客は沸いた。

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