2024-03

2010・1・31(日)ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」(最終日)
ルイス・フェルナンド・ペレスのリサイタル

   サル・クヴィアトコウスキ (16時15分~17時20分)

 ここはたった80人ほどしか入れない小さな部屋。ルイス・フェルナンド・ペレスをもう一度聴きたくて押し入る。
 彼は2時間ほど前に他のもう少し大きな会場で演奏したばかりだが、それとはまた違うプログラムでのコンサートである。
 曲はショパンの「ノクターン」から「作品9の2」と「作品32の2」と「作品48の1」および「バラード」第1番、そのあとにリストの「オーベルマンの谷」と「ハンガリー狂詩曲」第6番。

 こんな小さなサロンにおいてさえ、ペレスは些かも手加減せず、大ホールにおけるのと同じように豪壮激烈に演奏するのだが、音楽の色彩感が豊かであるために、騒々しくうるさいといった印象は全くない。
 清楚な小山実稚恵を聴いた直後に、しかも同じ作品をペレスの演奏で聴くと、ショパンの音楽が持つ全く異なった側面を突き付けられ、慄然とさせられる。われわれ聴き手は、僅か1時間前のショパンの顔とは別人のようなショパンの顔を、そこに視る。
 これは実にスリリングで魅惑的な体験だが、自分の好みから抜け出せぬ聴き手にとっては目の回るような困惑を体験するということになるのかもしれない。

 この部屋は、外部の雑音が頻々と混入して来る上に、途中入場や退席をかなり自由に認めるシステムのため、演奏中にもかかわらずドアを開閉する音などが非常にうるさくなる。ペレスもたまらず、途中で係員に注意を促していたが、当然だろう。
 このあたり、ナントの主催者は極めて大雑把である。聴衆の中にも無神経な連中が無数にいる。そこが日本と違うところだ。しかし、演奏に対する反応は、日本と違って常に熱狂的なのである。

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