2024-03

2010・5・1(土)シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団
常任指揮者就任披露特別演奏会

     サントリーホール  6時

 10年ほど前、夏のザルツブルク音楽祭で、カンブルランの指揮する「トロイ人たち」(全曲)や「ファウストの劫罰」を、2年続けて聴いたことがある。いずれもかなり大雑把な演奏で、この人の指揮はこんなものか、と思わせられた程度だった。
 だが、彼は昔の彼ならず。今やカンブルランは、音楽の響きに緻密な彫琢を施し、作品の細部に神経を行き届かせ、均衡を充分に保った演奏を創り出す指揮者である。

 26日に続く今夜の「披露演奏会その2」でも、彼は読売日響から精妙な音を引き出していた。
 プログラムは、バルトークの「二つの映像」、モーツァルトの「ジュピター交響曲」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」と「サーカス・ポルカ」(アンコール曲)というプログラムであったが、最初の2曲にあふれる透明に純化された色彩感覚は、カンブルランがやはりフランスの指揮者なのだなという印象を強く残すだろう。特に「ジュピター」での、すっきりした清楚な音の構築は快い。

 「春の祭典」は、これもどちらかといえば均衡を重視した指揮だ。たとえばティンパニや特定の金管をことさら強調してダイナミックな効果を狙うという手法を採らないため、全体に思いのほか抑制された演奏という印象を与える向きもあるだろう。カーニバル的な華やかさを持つ「サーカス・ポルカ」でも、カンブルランは壮麗にオーケストラを響かせるものの、決して羽目をはずしたどんちゃん騒ぎに堕することはないのである。

 先日と今日との2つのプログラムで、カンブルランの指揮の大体の方向は示された、と言っていいかもしれない。読売日響も見事に応えていた。まずは好調な滑り出し、というところ。

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