2024-03

2010・5・4(火)ラ・フォル・ジュルネ  河村尚子リサイタル

   東京国際フォーラム G402=ミツキエヴィチ  8時30分~9時20分

 先ほどのコンサートから45分おいて、同じ会場で、同じピアノを今度は河村尚子がショパンの「幻想即興曲」を弾き出すと、まるで楽器が変わったのではないかと思えるほど、実に美しい音色になる。

 美しいというのは、艶やかとか、たおやかとかいう意味ではない。いかにも日本人ピアニストらしい節度と、温かい情感と、しっとりした味を備えた音楽になっている、ということである。
 とは言ってもこれは、あくまで欧米人演奏家たちのアクの強い攻撃的な表現と比べてのこと。やはりわれわれ日本人の感覚の中では、河村尚子の演奏は、柔らかい表情の中にも、非常に大きな起伏と、大きなスケール感と、劇的な激しさを持ったものとして存在するのである。演奏をわずか1、2曲聴いているうちにも、われわれは彼女の世界の中にどっぷりと浸かってしまうのだ。

 プログラムはショパンで、「幻想即興曲」に始まり、ノクターン作品27の2、バラード第3番、ノクターンの嬰ハ短調の遺作、ワルツ作品42、幻想曲――と続いた。
 明・暗と緩・急、起・伏が交互に入れ替わるように組み合わせた、実に巧いプログラム構成だなと感心させられる。
 「バラード第3番」における昂揚の激しさは見事だし、最後の「幻想曲」の後半でスケール感を増しつつ盛り上げて行く呼吸も素晴しい。この2曲は、特に印象的だった。

 

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