2024-03

2010・5・7(金)中嶋彰子セレクション~アメリカン・ウェイ

  JTアートホール(東京・虎の門)  7時

 この室内楽専用ホールともいうべきJTアートホールで歌を聴くのは、私にとっては初めてのことだった。最後方の席で聴いたが、なかなか良い感じである。

 今日は「JTアートホール室内楽シリーズ」の定期公演で、ニルス・ムース(ピアノ)、松本健司(クラリネット)、クァルテット・エクセルシオが出演したが、中心はソプラノの中嶋彰子だ。
 プログラムは、ローレム、スコット・ジョプリン、アイヴズ、バーバー、ガーシュウィンの作品が集められ、たくさんの歌曲のほかに室内楽やピアノ・ソナタの抜粋も演奏されるという、すこぶる凝ったもの。
 アイヴズやバーバーの歌曲などは、まず滅多に聴けないものだけに、これは貴重な一夜でもあった。

 なんといっても、中嶋彰子の歌が素晴しい。
 これまで私が聴いた彼女の歌は、独墺系のモーツァルトやR・シュトラウスなどのオペラが中心だったし、先日いずみホールでのシェーンベルクと貴志康一の歌曲での劇的な表現にも舌を巻いた(後者には震撼させられた)ものだ。しかし、アメリカの近代歌曲にもこのような優れた感性を発揮する人とは驚きだった。これは、こちらの認識不足も甚だしかったと言わざるを得まい。
 ちょっと表現主義のエコーを感じさせる歌唱もあるかと思えば、アメリカのシリアスなスタイルの歌唱もある。あるいは最後の「サマー・タイム」で、アメリカのジャズ・シンガーのような発声をチラリと覗かせた(そう聞こえた)歌唱など、実に多彩そのものである。就中、アイヴズとバーバーの歌曲集は最大の聴きものと言ってよかった。

 せっかく顔を揃えたメンバーによる器楽のほうは、さっぱりスウィングもラグもしない面白くない演奏。それだけに、彼女の歌の良さがいっそう印象づけられたコンサートであった。
 

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