2024-02

2010・6・19(土)エリアフ・インバル指揮東京都響のマーラー「復活」

   サントリーホール  7時

 マーラーの第2交響曲「復活」。二期会合唱団、ノエミ・ナーデルマン(S)、イリス・フェルミリオン(A)との協演で行なわれた3回公演のうちの、今日は最終日。
 弦には引き締まった張りがあり、舞台裏のバンダを含めた金管群のソロも好調、合唱も特に男声のバランスの良さが印象に残った。
 東京都響の渾身の演奏と言うべく、機能的なまとまりの良さという点では、このインバルとのシリーズの中では、おそらく随一だったかもしれない。

 インバルは冒頭から鋭いリズム感で押し、スコアに綿密に指定されたスタッカートやアクセント、ニュアンス豊かなデュナーミクの変化などを遵守しつつ、メリハリのある鋭角的な響きをつくり出し、厳しい表情の音楽を展開させていった。特に低弦、トランペット、ティンパニの歯切れよさは、演奏全体を引き締めていたであろう。
 声楽陣も充実していたが、全曲大詰めの高潮個所では全力を挙げて吹くトランペット群の強力さに、2階正面の席で聴いた範囲では合唱が打ち消され気味の様相を呈してしまったのは惜しい。それはインバルの意図だったのだろうが、少々疑問がないでもない。

 今回は、P席2列目以降に合唱が、最前列に女声ソリスト2人が配置されていた。
 一般の演奏と少し趣きが異なっていたのは、練習番号【32】の個所で、ソプラノ・ソロを最弱音の合唱の中からゆっくりと浮かび上がらせる形でなく、かなり早い段階から際立たせる形を採ったことで、些か座りの悪さを感じさせた。ナーデルマンが勝手にフォルテで歌うわけもなかろうから、それもインバルの意図だったのか。
 名手フェルミリオンは、両手を胸の前に掲げ、あたかもオペラのような身振りで美しく歌っていた。

 総じて言えば、今回の「復活」は、技術的には極めて緻密にバランスよくつくられていたが、その一方、情感を抑制した、クールで冷徹で、厳格な表情を最後まで崩さない演奏でもあった。また、細部は完璧に仕上げられていたものの、全曲を大河の奔流のように押して行く一貫した力がやや希薄だったとも感じられる。
 やはりインバル、昔より淡白な指揮になったか。

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