2024-02

2010・6・25(金)第4回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門ファイナル初日
6・26(土)       同           ピアノ部門ファイナル2日目

  仙台市青年文化センター  6時30分(25日)、3時(26日)

 2001年に創設され、2年おきに開催されている仙台国際音楽コンクール。
 今月6日に終了したヴァイオリン部門はスケジュールの関係で聴けなかったので、せめてピアノ部門の本選だけでも、と駆けつけた。
 このコンクールを聴きに行くのはこれが2度目だが、ファイナルの2日間とも客席は一般のお客さんで埋めつくされ、地元からの支持も上々と見えたのは喜ばしい。若いコンテスタントたちが真剣に演奏に挑む姿に惹かれるお客さんも多いのだろう。
 市内のあちこちにもコンクールのポスターが見えるし、地下鉄の駅のBGMにもベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」などクラシック音楽が流れているという雰囲気もすばらしい。こういう雰囲気は、東京では考えられないものだ。

 今年のピアノ部門の応募者は、286名。過去最高だとか。
 そのうち39名が予選に出場して演奏し、セミ・ファイナル(第2次予選)を経て、残った6人が2日間のファイナル(本選)に出場した。
 私はその本選の模様を聴いたわけだが、結果として、初日に演奏した3人が第1位から第3位までを占めたのは、偶然だろうが面白い。

 というのは、この日はオーケストラ(山下一史指揮仙台フィル)が鳴り過ぎるきらいがあって、ピアノ・ソロの音がとかく打ち消され気味になり、「これじゃソリストが可哀相だ」という声がわれわれ取材班の中では多かったからである。
 だが、われわれとほぼ近い位置で聴いていた審査員(野島稔審査委員長らピアニストたち)が、オーケストラの咆哮にもかかわらずソリストの素質を見抜いたとすれば、やはりそれはピアノの音に鋭い耳を持つプロのゆえなのだろう。

 優勝はラフマニノフの「協奏曲第2番」を弾いたヴァディム・ホロデンコ(ウクライナ・23歳)で、自信にあふれて伸び伸びとした、将来何かやってくれそうな予感を抱かせる演奏が評価されたのだろう。
 第2位はプロコフィエフの「3番」を弾いたマリア・マシチェワ(ロシア・27歳)。音はオケに消されることもあったが、演奏には見事な勢いがあった。
 第3位はブラームスの「1番」を弾いたマリアンナ・プルジェヴァルスカヤ(スペイン、ただしロシア系女性・28歳)で、この人の音色は極めて美しい。

 そして同率第3位として、2日目の最後にラフマニノフの「2番」を弾いた佐藤彦大(22歳)が入ったが、演奏のまとまりとバランスの良さでは、6人中、おそらく彼が最上位だったのではなかろうか。だがその優等生的な出来が、逆に3位どまりの結果を招いた理由だったのかもしれない。
 以下、第5位にチャイコフスキーの「1番」を弾いたムン・ジョン(韓国・27歳)、第6位にシューマンの「イ短調」を弾いたクワン・イ(米国・25歳)という順。
 なにか「ロシア系」が「東洋系」を抑えたという感であった。

 表彰式後の記者会見でも述べられたことだが、審査は点数制が採られて決定され、いわゆる議論はほとんど行なわれなかったという。最近のコンクールはほとんどがそういう方式だ、と審査員の一人が述べていた。
 たしかに、プロの奏者が予選の段階から一貫して聴いていれば、コンテスタントの実力など一目瞭然見抜けるに違いないし、ことさら話し合わなくても以心伝心で結果を決めることができるのかもしれない。私はコンクールの実情などに関しては全くの素人だから、そういう説明に対してただ頷くのみだ。
 しかし――全く次元の違う話かもしれないが――私ども評論家が雑誌や新聞で、何か指揮者なり、ソリストなりの「選定」を行う時には、まず投票で選ぶのは事実だけれども、その上に大抵「討論」を加えて、推薦理由を互いにぶつけ合い、議論して練り上げるのが普通であって――。
 いや、それは本当に次元の異なる話なのかもしれない。素人が深入りするのはやめておこう。
 

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